福岡大(九州6大学)は9回に3点差をひっくり返され、逆転負けで姿を消した。2年連続の4強入りを逃し、試合後のナインは涙を流した。

試合には敗れたが、九州6大学の打撃3冠王が全国でもアピールした。0-0で迎えた7回2死満塁、5番の松尾龍乃(りゅうだい)内野手(4年=岩国商)が均衡を破る先制の2点適時打を放った。

一塁線に転がった打球は一塁ベースに当たった。大きく跳ね、右前まで到達。松尾は試合後、涙ながらに「なんとか1本出したいなと思ってました。結果はラッキーな形でしたけど、点が取れてホッとしました。いいところに転がって良かったです」と話した。守備でも一塁後方の邪飛をスライディングキャッチするなど貢献した。

応援が力になった。スタンドには母、妹、祖父、祖母が広島から駆けつけた。適時打の瞬間、祖父の剛さん、祖母の綾子さんは両手をたたいて喜び合った。2人は「コロナ禍でどこにも旅行にいけない中、ようやく応援で東京に来られたんです。さらにいい思い出が出来ました。最高です」と笑顔で話した。

家族の前での一打に松尾は「小さい頃からずっと応援してくれていて、大学まで野球をやらせてもらった。すごく感謝していたので、少しは恩返し出来たのかなと思います」と、それまで流した涙をこらえて話した。

以下、応援していた家族の言葉。

▽母綾子さん(帰りの飛行機の都合で球場を出る寸前だったが、適時打をギリギリ見られて笑顔)「ラッキーな形でしたが、次もチームのために貢献して欲しいです」

▽龍乃内野手と双子の妹・萌乃さん「小さい頃からずっと優しい。私より優しい」

▽友人の横田昇悟さん(岩国商時代のチームメート。高3夏は8強入り。現在は消防士を目指し公務員試験に挑む)「僕もあいつも身内のモノマネが得意で、笑わせキャラでした。不細工な形のヒットでもいいんです。次もチームのために貢献して欲しいですね」

○…福岡大が9回に3投手が4安打5四死球で5失点し、逆転負けした。2年連続の4強入りを逃したナインは涙を流した。高良練捕手(4年=城北)は「四死球を出した投手陣は、そこまでコントロールが悪いわけではなかった。これが野球の怖さでもあり、醍醐味(だいごみ)だと思う」と、涙をこらえながら話した。

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