オリックス田嶋大樹投手(25)が自身2年ぶりの完封で、チームを4カードぶりの勝ち越しに導いた。今季、無安打無得点試合を達成したソフトバンク東浜との投げ合い。3~8回は完全投球とソフトバンク打線につけいるスキを与えず、初の無四球完封で、チームが18年4月28日に京セラドーム大阪で勝って以来4連敗を喫していた右腕に投げ勝った。

「多くのヒットゾーンに行った球を(野手が)しっかりアウトにして下さった。自分自身の貢献できたなっていうところは多分(無四球の)そこぐらいだと思う。みんなに感謝しなくちゃいけないなと思います」

何度も何度も、田嶋は若月のリードや福田、宗、中川圭らの守備に感謝した。だが守備陣の集中力を高めたのは、1球1球に精魂を込めた田嶋の力投だ。

挑戦を実らせた。「セットの時の重心をちょっと後ろに、胸を張るような意識で投げるようにしてみたら結構、間隔が良くて。これでいってみようかなっていうことで胸を張る意識でずっと練習していました」と明かした。5月27日に投げ合った中日大野雄の姿が、ヒントになった。

「自分の形にしようと思って、まずちょっとやってみたのがきっかけで。そしたらすごく良くて、はまってくれた」。1失点完投勝利の大野雄にその日は投げ負けたが、この日につながるものをつかんでいた。

20年9月16日楽天戦のプロ初完封は、ほっともっと神戸。同年のチーム初完封だった。2度目は京セラドーム大阪。「完封するときはなるべくホームで、と思っています」とうれしい約束を、田嶋は本拠地ファンに伝えた。【堀まどか】

▽オリックス中嶋監督(好投しても勝ちがつかなかった田嶋の完封に)「低めの真っすぐにしても、スライダーもよかったですね。(勝ちが)ついてよかったです。こっちがホッとしましたよ」

○…オリックス福田が攻守で連勝に貢献した。初回の守りで、2死二塁からデスパイネの中前打で本塁を狙った二塁走者の柳田を好返球でアウトに。中嶋監督が「田嶋を乗らせてくれた。大きいプレーでした」と評価した好守に続いて、7回1死二塁では4点目の適時三塁打。「(1死二塁と)チャンスの場面でしたし2ボールと有利なカウントだったので、迷うことなくしっかり振り切ることができました」と持ち前の積極性をダメ押しにつなげた。

○…オリックス杉本が先制8号3ランで田嶋を援護した。6回無死一、二塁でソフトバンク東浜の148キロ直球を捉え、バックスクリーンに運んだ。青学時代、亜大のエース東浜とは東都大学のリーグ戦で何度も対戦。「コントロールがよくて。プロに入って初めてやったんですけど、もっとすごくなっていました。他のチームのいろんな人もなかなか打てていない投手。ある意味、打てなくても当たり前と開き直っていきました」とかつてのライバルを攻略した。

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