阪神佐藤輝明内野手が糸井嘉男外野手の言葉を胸に、前半戦残り5試合を駆け抜ける。母校近大の大先輩が再調整のために出場選手登録を抹消。2軍再調整が決まった後に、糸井から「抹消になるから、頑張れよ」と声をかけられた。「また戻ってきてくれると思うので、僕はそれまで頑張るだけです。闘争心持って、頑張ります!」と力強く話し、エールにバットで応える。

7月は本塁打ゼロだが、前日17日の中日戦(甲子園)では逆転打を含む猛打賞。試合前に早出特打を敢行し、復調の手がかりをつかんだ。勢いそのまま広島戦に臨みたかったが、降雨により中止。雨が降りしきるグラウンドを見つめていた主砲は「自然には逆らえないです(笑い)」と受け止めた。

チームはここまで広島相手に1勝10敗2分けと苦戦しており、マツダスタジアムでは5敗1分けと未勝利。それでも佐藤輝は敵地で打率3割4厘の成績を残している。「状態はいいと思うので、いいスイングができるように頑張ります」。9連戦の中のつかの間の休息。球宴まで残り5試合。4番が借金完済のけん引役になる。【三宅ひとみ】