日本ハム伊藤大海投手(24)の2年連続2ケタ勝利は、お預けとなった。味方が追いついた直後の9回は、志願のマウンドに立った。「負けていても勝っていても9回までいくのが、今のチーム状況でアピールできるところ」。加藤、上沢の左右の軸を欠く現状、先発陣の一角としての役目を自覚していた。

9回2死から逆転打を許したが、先発として試合をつくった。「志願して行ったからには、抑えて帰ってきたかった」と悔やんだが、8回2/3を投げ5安打3失点。その裏に「バースデーアーチで援護してもらって。お願いします」と予言していた近藤からサヨナラアーチが飛び出し、黒星も吹き飛ばしてくれた。「言ってみるものですね。チームが負けなかったことは良かったです」と笑った。

新人から2年連続2ケタ勝利を記録すれば87、88年の西崎以来、球団では34年ぶりも、次戦以降へ持ち越しとなった。「今日、勝つ予定だったんですけど…」と苦笑いを浮かべ、「負けて楽しい試合はないので、いつでも僕はチームがどうであれ勝つことしか考えていない。負け戦はしない」と力強かった。

4回2死で迎えた山川には、球宴以来となる球速計測不能の超スローカーブで揺さぶった。遊び心ある投球を披露。「やられているので、僕は結局。長く投げる手応えはあったので、次は勝ち切れるようなピッチングをしていきたい」。今度は節目の勝利で沸かせる。【田中彩友美】

○…日本ハム上川畑が復帰戦で適時打を放った。7月20日に新型コロナ陽性判定を受け、この日1軍に復帰。1点を追う8回1死一、三塁で代打で登場。スクイズを仕かけたがファウルとなるも、2ボール2ストライクから左前に一時同点となる打球を運んだ。療養中は39度以上の高熱にも苦しんだが回復し、「ストレートにも食らいついていけたので良かったと思う」と喜んでいた。

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