阪神の来季監督として05年にリーグ優勝を飾った岡田彰布氏(64)が内定したことが27日、分かった。レギュラーシーズン終了後にも発表される。岡田氏は04年からの就任5年間でリーグ優勝を含む4度のAクラス入り。その豊富な経験と手腕で、来季18年ぶりのリーグ頂点を狙う。1軍ヘッドコーチには平田勝男2軍監督(63)の就任が濃厚。2軍監督には和田豊テクニカルアドバイザー(TA=60)の就任が有力となった。

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虎最後の優勝監督が指揮官として15年ぶりにタテジマのユニホームに袖を通す。岡田氏が来季監督に就任することが内定した。異例の退任表明で退路を断ち4年目の指揮を執った矢野監督は、開幕から9連敗を喫するなど低迷。残り2試合でクライマックスシリーズに進出を狙うが、今季もリーグ優勝には届かなかった。悲願の優勝へ。岡田氏の手腕にチームの運命を託すことになった。

岡田氏は05年のリーグ優勝時には「JFKトリオ」と呼ばれたウィリアムス、藤川、久保田の強力リリーフトリオを結成。二塁手だった今岡を打撃優先のため三塁へコンバートし5番打者として147打点を挙げる活躍を引き出した。卓越した野球理論には定評があり、ユニホームを脱ぎ評論家となった今も歯に衣(きぬ)着せぬ愛のある厳しい意見を述べてきた。

05年Vのコーチ陣が再結成する。組閣作業も着々と進んでいる。1軍ヘッドコーチには平田2軍監督の就任が濃厚となっていることが判明。同氏は19年から2軍で3度目の指揮を執り、チーム状況を熟知。15年ぶりにタテジマに復帰する岡田氏の参謀役として白羽の矢が立った。優勝した05年にも岡田監督-平田ヘッド体制でチームを頂点に導いている。

さらに2軍監督には1軍監督の経験者である和田TAの就任が有力。05年当時は1軍打撃コーチと務め、その後は12年から監督を4年間務めた。TA就任後はアマチュア野球の調査にもかかわり、20年の2軍安芸キャンプでは臨時コーチとして若手も指導。経験豊かな生え抜きの指導者が重要ポストに就く。

この日、大阪市内の阪神電鉄本社で取材に応じた百北幸司球団社長(61)は「今シーズンが終わるまでは、新監督人事について申し上げることはない」と具体的な名前は明かさなかった。ただ、シーズン最終戦となる10月2日ヤクルト戦(甲子園)までに正式決定のメドがあるかと問われ「それは立っています」と断言した。第2次岡田政権誕生へ。カウントダウンは始まっている。