追い込まれてもギッテンスは動じない。2回1死一、三塁。2球で追い込まれた。それでもストライクゾーンはファウルで粘り、際どいコースは冷静に見極めた。フルカウントで迎えた9球目、宮城の甘く入った直球を見逃さなかった。先制となる中前適時打。「打球の速さには自信があるので、打球を前に飛ばせば、何かいいことが起きると思った」。鋭くバットを振り、チームに勢いをもたらした。

4点リードの7回1死二塁でも、2球で追い込まれたが、ファウルと選球眼の良さでフルカウントに。7球目を中前に運び、この日2打点目を挙げた。助っ人として成績に物足りなさが残るのは事実だが、「ゆっくりといい状態に上がってきていて、今は非常にいい状態です」と確かな手応えをつかんでいる。

打撃練習では特大弾を連発させる力自慢。それを存分に発揮させるため、分析を怠らない。練習後は毎回のように立花打撃コーチの下へ向かう。身ぶり手ぶりを交えて、長く打撃について指導を受ける。「タイミングが主な会話の内容。客観的に見た部分でのアドバイスをいただいてます。それをしっかり自分の中で注意しながら打席に入っているところは生きています」とうなずいた。

石井GM兼監督からは「いろんなことが起きて、打席数が少なくて受け身になることは多いですけど、これからも積極的にスイングをしかけていってほしい」と期待されていた。CS進出へ1戦も負けられない中、状態は上向き。新助っ人が最終盤の鍵を握る。【湯本勝大】