西武がCS進出に王手をかけた。今井達也投手(24)が8回を4安打無失点。0・5ゲーム差で追われていた4位楽天との直接対決で123球の熱投をみせ、5勝目を挙げた。

「ゼロで抑えることが自分の仕事だと思っている。その点に関してはよかった」。3回は1死満塁のピンチを迎えたが、小深田を二飛、浅村を空振り三振。左打者6人が並ぶ楽天打線にスライダーを効果的に使い、切れ味抜群の直球で押した。

これが今季9試合目の登板だった。先発ローテの軸として期待をされながら、離脱期間の方が長かった。その胸に刻まれた悔しさをぶつけた。右内転筋の張りなどで今シーズンの初登板は7月と出遅れた。8月26日オリックス戦の後に与えられた休養期間では体調不良も重なった。39度以上の熱が3日間続くなど体重は3キロ落ち、この日は約1カ月ぶりの登板だった。戦力になれなかった9月にチームは優勝争いから脱落。「いろんなところでローテーションを守れなかったことがすごく悔しかった」。チームに迷惑をかけてしまった。思うように投げられなかった分、勝負どころに懸ける思いも強かった。大一番で頼もしいピッチングを披露した。

大きな1勝。CS進出の可能性はぐっと増した。「CSに出て挽回したいとの思い」が強くある。シーズンを通して働けなかった鬱憤(うっぷん)。それを少しでも晴らしていく。【上田悠太】

▽西武辻監督(CS進出のクリンチが1に)「今季一番大事な試合になると投手コーチとも話していた。うちが1つ勝てばいいの? 楽天が1つ負けてもダメ? よし1ね」

▼西武が楽天に勝ち、3位確定まで「マジック1」とした。早ければ今日29日、楽天がソフトバンクに敗れれば、19年以来3年ぶりのCS進出となる。パ・リーグの順位決定法は勝率で並んだ場合、当該球団間の対戦成績で決めるため、西武と楽天が並べば勝ち越した西武が上位となる。