ああCSが遠のく…。広島がヤクルトに痛すぎる逆転負けを喫した。先発森下暢仁投手(25)が6回途中まで2失点にしのぐも、中継ぎ陣が失点を重ねた。3回までに4得点の打線も、4回以降は無得点。盗塁失敗やバント失敗などちぐはぐな攻撃で流れを逸した。30日ヤクルト戦に引き分け以下で、4年連続Bクラスが確定する。

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広島ファンの悲鳴とともに、白球が夜空に消えていった。2点リードの7回2死一、二塁。この回途中からマウンドに上がった4番手ターリーが、代打オスナに投じた4球目チェンジアップが浮いた。3球真っすぐを続けて追い込み、投手有利なカウントで投じた変化球が失投となった。点差やイニング、相手打者などの状況から、もっとも注意しなければいけない結果。2安打していた左打ちの松本友から右打ちのオスナに代えたヤクルトに対し、助っ人左腕を続投させた策が裏目となった。

佐々岡監督 (終盤の継投は)小刻みにと考えていた中で、あそこは続投させた僕の責任です。

今季初めて4点差を逆転された。先発森下は5回に1点を失うと、6回2死一、二塁で降板。2番手森浦が追加点を奪われたが2点差までに食い止めた。だが、7回はケムナが1死から村上に右前打を許すと、続く内山壮に四球。代わったターリーが2死後に、ヤクルトが温存していた助っ人の1発に屈した。141試合目にしても、栗林、矢崎につなぐ逃げ切りの形を確立できず、今季の逆転負けは34度目となった。

ヤクルトはこの日、外国人選手や山田ら主力をスタメンから外していた。序盤から試合の主導権を握った広島だったが、突き放すことができない。5回は1死一塁から三振ゲッツー。6回は先頭から連続四球で得た無死一、二塁で会沢のバントが併殺となり、無得点。かみ合わない攻撃で、流れをヤクルトに渡した。

あまりにも痛い敗戦で、阪神、巨人とのCS争いから大きく後退した。30日のヤクルト戦に引き分け以下で、4年連続Bクラスが確定する。指揮官は「とにかく最後2試合、我々は勝つだけ。それに向かってやるだけです」と言葉を振り絞る。ヤクルトには今季8勝15敗1分け。大きく負け越す王者相手に最後の意地を見せ、143試合目まで可能性をつなげたい。【前原淳】

○…先発森下は6回途中2失点で降板した。キャリアハイ11勝目の権利を有していたが、中継ぎが逆転され白星が逃げた。「全部が実力不足。野手はよく守ってくれた。もうそれ(結果)が実力だったと思う」とうつむいた。8月16日に1年目の自己最多に並ぶ10勝目を挙げたが、そこから6戦勝ち星なし。シーズン終盤に失速してしまった。

○…上本がプロ2本目の本塁打を放った。0-0の2回1死一塁でヤクルト先発石川の変化球を左翼席へ運んだ。打った瞬間分かる当たりに、派手なバット投げで手応えを示した。先制の2号2ランは本拠地初アーチ。「逆方向に意識を置いて、反応で打てました」。9月10日ヤクルト戦(神宮)でプロ1号を放って以来の1発で打撃力の高さも示した。

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