阪神佐藤輝明内野手(23)が、2年目のレギュラーシーズンを全試合出場&勝利で締めくくる。ここまでチーム唯一の全142試合に出場。「それだけ期待して使ってもらっているってことだと思う」とかみしめる。

2日のヤクルト戦(甲子園)で全試合出場を達成すれば、大卒2年目以内の野手では81年岡田彰布、05年鳥谷敬に次ぎ球団3人目。いずれも2年目で達成している。次期監督にも内定している岡田は85年日本一戦士で、鳥谷も05年リーグV戦士の虎のレジェンドだ。若くしてチームの柱だった証し。佐藤輝も偉大な先輩が通った道を進む。

昨季は夏場以降、NPB野手ワーストとなる59打席連続無安打。どん底を味わった経験が2年目に生きる。昨季173あった三振は今季137。確実性が増し打率や打点をはじめ、本塁打以外の数字は軒並み良化した。「試合に出ないと貢献することはできない。そういう意味では去年よりは成長したかなと思います」。長期スランプを作らず、新型コロナ感染や負傷離脱もなく突き進んできた。

入場券は前売りで完売。7月30日ヤクルト戦以来の甲子園弾にも期待が膨らむ。「ファンの方にいいところを見せられるように。それは勝つってことだと思う」。この日、甲子園で行ったフリー打撃ではバックスクリーンへの1発も決めた。予行演習は完了。「もう明日、勝つってことだけです」。鼻息荒く、有終の美を飾る。【中野椋】

○…最優秀中継ぎ賞獲得へ土俵際に立たされた湯浅が、ラストチャンスにかける。中日ロドリゲスがあと1試合を残し、45ホールドポイントでタイトルを確定。1ポイント差で2位の湯浅が並ぶには、2日の今季最終戦でのホールドが絶対条件だ。甲子園でダッシュなどで調整。「状況次第で取れるなら取りに行きたいですけど、チーム最優先だと思っているので、チームに貢献できるようなピッチングをするだけです」と引き締めた。

○…2年ぶりの盗塁王を手中に収めている近本が、最多安打とのタイトルダブル獲得へ最後の一戦に挑む。30盗塁は2位のヤクルト塩見に6個差をつける。安打数は154で、トップの中日岡林とDeNA佐野に5本差と厳しい状況だが、ネバーギブアップで集中力を研ぎ澄ます。昨季は優勝争い佳境の140試合目に故障離脱。「最後まで試合ができるので、自分がやれることをやるだけです」と意気込んだ。

○…青柳がプロ野球史上初となる2年連続最多勝&勝率1位を確定させた。この日、12勝の巨人戸郷が勝ち負けつかずで残り1試合。13勝&勝率7割6分5厘でダブルタイトルが決まった。先発3冠もをほぼ手中に収めている。防御率2.05も同僚で2位の西勇を0.13離してトップに立つ。球団でこの3冠を獲得したのは1944年(昭19)若林忠志、03年井川慶の2人しかおらず、快挙連発のシーズンになりそうだ。

○…昨年の盗塁王中野が、最多安打のタイトル獲得へ最後の意地をみせる。トップの中日岡林とDeNA佐野に4本差の155安打。ラストゲームの全打席でヒットが求められる厳しい状況だ。矢野監督は「チーム優先」を前提に「タイトルは取らせてあげたい。(中野)拓夢、チカ(近本)がいっぱいヒット打って出塁したり、ランナーをかえしてくれれば、そうなるんでね」とミラクル大逆転に期待を込めた。

○…岩貞が今季限りで現役を引退する元同僚のオリックス能見イズム継承を誓った。一緒に自主トレを行うなど、親交の深かった大先輩の最後の雄姿を見届けるため、9月30日に京セラドーム大阪で行われた“引退試合”を現地で観戦。「ただただ寂しいです。あのレベルの方でも朝から晩まで野球のことを考えて自主トレをやっていた。その姿を間近で見ることができて幸せでした。今後も自分のものとしてやっていかないと」。先輩左腕に学び精進を続ける。

○…今季最終戦となる2日ヤクルト戦の先発を託された西純が必勝を期した。甲子園でキャッチボールなどで調整。「最後の試合を任せてもらって、すごく光栄です。こういう大事な試合でこそ、力を発揮できるような選手になりたい。しっかりと結果を残せるように頑張りたい」ヤクルト戦は今季先発で2戦2勝、防御率1・93の好相性だ。

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