巨人が142試合目で、力尽きた。逆転CS進出には残り2戦2勝は必須だったが、DeNAに無得点負けで完敗。3位阪神の結果に関係なく、2日の最終戦に勝利しても追い抜けないため、4位が決定した。17年以来5年ぶりのBクラス、自身は制度導入後初めてCS進出を逃した原辰徳監督(64)は「まあ非常に、一言で言うと悔しいですね。うまくかみ合わなかった。非常に苦しいシーズンだったということですね。とにかく悔しいということですね」とにじませた。

執念は実らなかった。1点を追う8回。4番手高梨が連打と死球で降板。無死満塁から守護神大勢をビハインドの展開で投入。3者連続の空振り三振で絶体絶命のピンチを切り抜け、勢いはつけた。9回、先頭坂本がDeNA山崎から左前打で出塁。丸が四球を選んで4番中田。絶好の舞台が整った。だが、生かせなかった。中田は左飛、続く岡本和が併殺打。スコアボードに「0」を並べ、今季72度目の敗北を迎えた。

シーズン中の坂本の2度の離脱、岡本和や菅野は本調子を欠いた。プロ野球新記録となる8投手がプロ初勝利を挙げたが、主軸を脅かすまでに飛躍したのは大勢と山崎伊のみ。「育成」と「勝利」の両輪を掲げた第3次原政権4年目、原監督の3年契約1年目だったが、V奪還どころかCSにも届かなかった。

来季に向けて聞かれた原監督は「明日のゲームにね(集中する)。今の言葉だけですね。今言えることはね」と話した。チームの底上げと、V奪還へ。今年に芽吹いた新星を成長させながら頂点に立つことが、来季に課される命題となる。【浜本卓也】

▽巨人大勢(1点を追う8回無死満塁のピンチで登板し、3者連続空振り三振で切り抜ける)「1点も許されない状況でしたし、しっかり抑えて次の攻撃につなげられるように、全て三振を狙って腕を振りました。抑えられて良かったです」

▽巨人戸郷(5回3安打1失点7奪三振でリーグトップタイの13勝目はならず、最多勝のタイトルは絶望的に)「チームに良い流れをもたらしたかったですけど、申し訳ない」

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