法大からは、西武育成4位の是沢涼輔捕手（4年＝高崎健康福祉大高崎）とオリックス育成5位の村上喬一朗捕手（4年＝東福岡）の2人が指名を受けた。日頃レギュラー争いでしのぎを削ってきたライバル。4年間互いに切磋琢磨（せっさたくま）しながらプロへの道をつかんだ。
是沢は、高崎健康福祉大高崎高2年秋と3年春の県大会でともに優勝。3年夏は準優勝で惜しくも全国には進めなかったが、私学でその名をとどろかせる名門に身を置いて4年間汗を流した。「セカンド送球が強い」が自身の強み。今春のリーグ戦で初のマスクをかぶり、投手陣を支えた。西武から育成指名を受けた直後には女手一つで育ててくれた母に電話。「母と祖母の3人暮らしで、男がいない中で必死に育ててもらった。その感謝の意味を込めて真っ先に伝えました」と孝行息子ぶりを見せた。
趣味には百マス計算を挙げる個性派。「小中学校のバス移動の際に携帯を触っちゃ駄目だったので、通りすがりの車のナンバーで足し算にしていたら数学が得意になって」とちゃめっ気たっぷり。「瞬時の状況判断にも生きています」と本業にもつながっているようだ。「スローイングが売りの選手なのでパ・リーグのゴールデングラブ賞が取れるような選手になりたい」と今後の展望を語った。
一方の村上は肩の強さが光る捕手として下級生時から注目を集め、昨秋にレギュラーの座をつかんで打率3割3分3厘をマーク。今春はリーグ9位の打率3割1分1厘を記録するなど打撃にも定評がある。「自分の名前を聞いた瞬間はホッとしましたが、瞬時に切り替えました。プロの世界に入る育成選手として1軍の試合で早く活躍したい」と気を引き締めた。
師範だった祖父母の影響で始めた三味線は「野球を始める前の小学1年生から始めて、3年生の時には芸名を名乗れるほどでした」という多才さをアピール。野球にも生かされていることもあるようで「興味をもってもらって突っ込まれるので、コミュニケーションを取りやすいですね」と照れくさそうに笑った。【平山連】
