聖光学院の“龍”が名古屋でほえる。中日のドラフト4位、聖光学院・山浅龍之介捕手(18)が28日、福島・伊達市にある同校で指名あいさつを受けた。

今夏の甲子園では、扇の要として投手陣をけん引し、同校初の4強入り。10月の国体では打率4割5分5厘と攻撃でも要となり、チームを初の準優勝へと導いた。聖光学院の歴史を塗り替えてきた山浅が、中日の歴史に名を刻むべく、その第1歩をしるした。

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指名あいさつを終えた山浅は、緊張がほぐれたような表情で会見に現れた。「1年1年が勝負。将来的には球界を代表する、チームを負けさせない、良いキャッチャーになっていきたい」と気持ちを新たにした。指名あいさつ中に受け取ったドラフト当日の立浪和義監督(53)のサイン入りパスを手に「すごくうれしい。しっかり球団の力になっていきたい」と奮い立った。

小山良男スカウト(42)から高評価された投手との対話は、山浅がずっと大事にしてきたことだ。「ずっと意識してきた部分。ひとりのキャッチャーとしてすごくうれしい」。これからは年齢が離れた投手ともかかわっていくが、「たくさん球を受けて、まずは慣れたい。投手陣と会話して、リードして…。多くの投手の球を受けてみたいです」と、プロの球を受けるのを心待ちにした。

20日のドラフト会議後、22、23日には早くも“名古屋デビュー”を果たした。22日には名古屋市内の野外ステージで、テレビの生放送に出演。「自己紹介をしたら、周りのお客さんが拍手をしてくれた。すごく温かかったです」と市民の温かさに触れ、名古屋名物も楽しんだ。名古屋コーチンとひつまぶしに舌鼓を打ち「名古屋コーチンは串焼きと手羽先で。ひつまぶしは普通に食べて、薬味を入れて、だしを入れてと3段階。おいしかったのはもちろん、食べていて楽しかったです」と笑顔。人生初の「名古屋めし」を堪能した。

人々の温かさに触れた名古屋でスタートを切る。山浅は「不安ももちろんありますが、プロの世界で自分がどれだけ成長していけるのか楽しみです」。目標の「球界を代表する捕手」へ。昇り龍のごとく、高みへと駆け上がる。【濱本神威】

◆山浅龍之介(やまあさ・りゅうのすけ)2004年(平16)4月21日生まれ。秋田・由利本荘市出身。小2、小友ジグザグスポ少で野球を始める。小6で東北楽天ジュニア選出。中1から同リトルシニア。聖光学院では1年秋からベンチ入り。2年から正捕手。今夏甲子園4強、国体準優勝。175センチ、83キロ。右投げ左打ち。

▽中日・小山良男スカウト(42) (山浅を評価した点について)ここぞのタイミングでの投手への声かけや返球のリズムが投手とすごくマッチしていた。スタンドから見ていて、1人だけ後ろを向いている中でも、すごい雰囲気を持っている捕手だと思いました。

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