「僕のどこを見たのですか?」。西武の育成ドラフト4位、法大・是沢涼輔捕手(22)は、自身も興味が湧いていた。29日、川崎市内の同大合宿所で指名あいさつを受けた。

対面した竹下スカウトに聞かずにはいられなかった。メモ帳を手に「指名理由」、「最初に見てもらえた試合」なども質問を重ねた。というのも、法大でリーグ戦出場はわずか4試合、3打数ノーヒット。高崎健康福祉大高崎時代も控え。実績はなかった。

プロのスカウトが目を配るのは試合だけではない。竹下スカウトは回想した。「いつ来てもグラウンドでバットを振っている」。春の時点では名も分からぬ「あの22番」がだんだん気になる存在になった。見ると、二塁送球は力強い。遠投110メートルの肩は数字以上に大きな可能性を感じさせた。その一芸に加え、キャッチボール、大きな声を響かせるブルペン捕手の姿も魅力だった。決め手は「野球に対する姿勢。捕手はいろんな投手の球を捕る。一番大事なものを持っている」。それが是沢が聞きたかった疑問への答えだった。

趣味は100マス計算。小学生時、すれ違う車のナンバーを足したり、引いたりして暇つぶししていた頭脳派でもある。「成長して入寮できるように。大学0安打でもプロで初安打を打てるよう頑張りたい」と語った。【上田悠太】

◆是沢涼輔(これさわ・りょうすけ)2000年(平12)4月19日生まれ、三重県出身。暁中時代は三重川越ヤングでプレー。高崎健康福祉大高崎では2年春の甲子園出場も、自身はメンバーに入れず。法大では4年春にリーグ戦デビュー。通算4試合で3打数0安打。178センチ、79キロ。右投げ右打ち。

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