リハビリなのに、150キロ出た! 右肘靱帯(じんたい)を痛めて、日本ハムで今季唯一、1軍出場がなかった来日1年目のジョン・ガント投手(30)が30日、宮崎で開催中のフェニックスリーグ・四国アイランドリーグ選抜戦で“今季初先発”。約13カ月ぶりの実戦で、いきなり最速150キロを記録した。来季の契約については未定で、リハビリ途中ながら、首脳陣に経過をアピールした。

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“2億4000万円の右腕”が、ようやく実戦でベールを脱いだ。ガントが、フェニックスリーグの四国IL選抜戦で待望の“国内デビュー”。木田2軍監督いわく「まだリハビリ中」ながら、球場表示で150キロを記録し、メジャー通算24勝の片りんを見せた。

来季の契約を懸けた、大事な一戦。髪をなびかせ、23球を投じた。「ちょっと緊張したけど、最初の1球を投げたら気持ちが戻ってきた。自転車は1回乗れるようになると(乗り方を)忘れないじゃないですか? そうやって、気持ちを駆り立てました」とガント。試合での投球は、21年9月以来、約13カ月ぶりだった。1回を投げて2安打1失点。1四球に2盗塁を許し、暴投もあった。それでも、再び実戦で投げられた喜びが勝った。チェンジアップでは、空振り三振も奪った。

入団が決まった際には「すごいピッチャーだね。YouTubeで彼の映像を見て、思わず『いいね!』押しちゃいそうになったよ」と、新庄監督を大いに喜ばせたが、右肘靱帯(じんたい)を痛めて今季を棒に振った。異国の地でリハビリ漬けとなったが、ランニングなど黙々と地味なトレーニングをこなす姿は、若手投手陣の手本になった。

1週間以内に米国へ帰国予定。「今年に関しては、本当に申し訳ない。来年たくさんのファンの前で、いいピッチングをする姿を見せたいです」。来季契約について、祈る気持ちで吉報を待つ。【中島宙恵】

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