ソフトバンク藤本博史監督(58)が10月31日、1番候補の周東佑京内野手(26)に出塁率アップを求めた。自身の生涯出塁率を引き合いに「俺でもこの足で通算3割3分7厘の出塁率があるんやで」と笑いながら“挑発”。今季3割2分4厘に終わったスピードスターに対し、さらなるレベルアップを促した。

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藤本監督が周東をあおりまくった。日本シリーズが終わり、韋駄天(いだてん)は11月に行われる侍ジャパンの強化試合に同3日から同行する。「侍に行ったらいい打者がそろっている。自分に合った打撃理論を聞いてきてくれたら」と願いつつ、来季最も伸ばしてほしい数字を問われると「当然、出塁率でしょ」と即答した。

今季の周東は80試合で出塁率3割2分4厘だった。指揮官は「1、2番(打者)で3割2分は低いでしょ」とバッサリ。自身はダイエー時代の92年に130試合で3割7分9厘、生涯でも3割3分7厘という実績を持っている。「四球は一番とってた」と笑い、声のトーンを一段と上げた。

藤本監督 俺みたいな(速い)足がない、内野安打もないバッターでも通算3割3分7厘の出塁率があるんやで。それより低かったら…。周東の足を持って、3割2分は低すぎるよね。

自慢と自虐を交えつつ、チームのスピードスターに愛のゲキを送った。

当然周東も課題として認識している。「3割2分4厘…全然かなと」。昨季も初めから四球を狙おうと消極的な打席が続き、出塁率2割5分8厘、打率も2割1厘と跳ねなかった。「出塁率を増やしていくには、しっかり打って、相手に嫌だなと思わせないといけない。しっかり打ちにいった中で選んで、四球もどんどん増やしていけたら」。相手投手を揺さぶるのではなく、自らの強気な姿勢で数字を伸ばす。「誰に何を言われようと、貫いていきたい」と、覚悟は強かった。来季は生まれ変わった周東に期待が膨らむ。

かねて藤本監督は来季のレギュラーは白紙と明言している。それでも「周東の出塁率が高ければ(打順は)1番がベスト」と、構想を練っているようだ。侍ジャパンが終われば、11月12日から宮崎秋季キャンプに合流する予定。周東に打率も出塁率も上がれば鬼に金棒だ。勝負のオフシーズンが始まる。【只松憲】

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