オリックスからドラフト4位指名された東北福祉大・杉沢龍外野手(22=東北)が1日、仙台市内の同大で指名あいさつを受けた。杉沢は「緊張しました。開幕1軍を目指してやっていきたいと思います」。手渡された中嶋聡監督(53)の直筆サイン入りドラフトIDパスを手に気持ちを新たにした。

2つの大きな目標を掲げた。「3拍子そろった選手を目指してやってきた。1年間を通してトリプルスリーを達成し、最終的には2000本安打を目指したい」。4年春にはリーグの打撃3冠を獲得。走攻守3拍子がそろった好打者だ。出席した牧田編成部副部長は「天才的なバットコントロールを持っている。プロに入ってもすぐ対応できる」と太鼓判を押した。

1度「プロ野球選手」の夢を諦めそうになったことがあった。「1年の時は腐っていた。やる気もなくなって(野球を)辞めようと思った」と当時の心境を明かした。選手層の厚さに立ち位置を見失い、試合出場のチャンスすらつかめない。野球人生で初めての挫折を味わった。それでも、ひたむきに努力を積み重ね、プロへの扉を開いた。

大きな刺激をもらった。オリックスが26年ぶり日本一に輝いた10月30日。杉沢は寮のテレビで歓喜の瞬間を目に焼きつけた。「来年はあの舞台(日本シリーズ)に自分が立っている」。ルーキーイヤーからリーグ3連覇の一翼を担う覚悟で、プロの世界へ飛び込む。【佐藤究】

◆杉沢龍(すぎさわ・りゅう)2000年(平12)6月2日生まれ、秋田県小坂町出身。小4から野球を始め、小坂町中時代は大館シニアでプレー。東北(宮城)では1年春からベンチ入り。同年夏の甲子園に出場。東北福祉大では2年秋からベンチ入り。4年春に打撃3冠を受賞。目標の選手はヤクルト山田哲人。50メートル6秒3。遠投120メートル。好きな有名人は広瀬すず。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。