楽天藤平尚真投手(24)が、強気の投球で飛躍を目指す。6年目の今季は8試合に登板。1軍で1434日ぶりの白星を挙げ、1勝0敗、防御率3・97の成績だった。納得するボールを投げることが多くなり、手応えをつかんだ1年となった。

来季へ向けての課題は、右打者の内角を投げきること。「僕の場合、危険球を当てていますし。コーチ陣からも『そこを強要するのはある程度自分の形が出てこないと言えなかった』と言われた」と率直に打ち明ける。ステップを1つ踏んだからこそ生まれた新たな壁。フォームが安定してきたことにより、向き合い始めた。

意識改革で少しずつ成長を続けている。「これまで自分の中で意識しなくても、右バッターには当てたくないなという気持ちがちょっとあった。バッターに対して投げるというより、しっかりブルペンで投げた形というのをマウンドで、ミットに投げるというような感覚にしてからは、しっかり投げ切れているボールというのが増えてきた」。10月29日フェニックスリーグのDeNA戦では完封勝利。「一番自分の中で右バッターのインコースを精度良く投げられました。フェニックスの中ですごくつかめたところだったので、そのつかめたものを失わないようにブルペンでは投げています」と笑顔だった。

この日の秋季キャンプでは、ブルペンで83球を投げた。右打席に打者に見立てた障害物を置き、コースギリギリを突く練習。投球の幅を広げるため、“懐”をえぐり続けている。

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