もう決めちゃった。阪神前川右京外野手(19)が右翼でレギュラーを競っていくことが決まった。高知・安芸の秋季キャンプで行われた守備練習。岡田彰布監督(64)が三塁付近で見つめる中、前川は左翼の守備に。左翼線や左飛の打球を遊撃手や二塁手に送球し、球をさばいた。

それを見た指揮官は終了後、筒井外野守備走塁コーチに右翼へシフトチェンジすることを伝えた。「左翼線は(左利きにとって)反対向きやから、肩が弱かったら余計にボールがいかんやろ。でも、右翼線は順やから(スムーズに)投げられるからな」。以前、肩が弱いことを指摘していたこともあり、右翼が適性だと判断した。

午後の個別練習では、早速右翼に就き、送球などの練習を1時間以上実施した。前川も右翼専念を自然と受け止めた。「(体の使い方が)バラバラなので、修正していきたい。右翼でキャンプ、オフでも取り組んで、来季に向けて試合に対応できるようにしたい」。

一方でフリー打撃では93スイングで22柵越え。そのうちの2球はバックスクリーン横のスコアボードを越える場外弾だ。「打撃でしかアピールできていない。打撃でアピールできなかったらなにをアピールするねんとなる。質の良い当たりを目指してやっていきたい」と磨いていく。

今季は3月下旬と6月中旬、2軍戦の試合中に上半身のコンディション不良で離脱。けがに泣いたルーキーイヤーだった。「来季は2年目で勝負をかけていい年。短所をなくしていけるようにしたい」。定位置獲得の足掛かりへ。19歳は闘志を燃やしている。【三宅ひとみ】