阪神のドラフト育成1位、九産大・野口恭佑外野手(22)が8日、福岡市の同大でスカウトによる指名あいさつを受け、早期の支配下登録を誓った。報道陣が用意した色紙に「下克上」と書いて、気持ちを引き締めた。

目指す支配下へは「育成の野手は1人なので、1日でも早く支配下登録されるよう頑張って、徐々に目標を上げていきたい」と気合十分だ。

九産大で2学年上だった20年ドラフト育成1位の岩田将貴投手(24)が、7月に支配下選手契約を結んだ。励みとなる身近な存在で「自分もチャンスがあると、希望が見えた。刺激をもらいました」と胸を躍らせた。

聖地への思いも強まった。創成館高3年時には春夏連続の甲子園出場を果たした。18年ドラフト5位で創成館から入団し、昨年から育成契約の同学年、川原陸投手(21)の存在にも刺激受けている。「2人で甲子園でのプレーを実現させたい」と意気込んだ。

前田スカウトは指名の経緯について「球団が右の外野手を重要視する中で、走攻守3拍子そろい、バッティングは特にパンチ力があり、長打力でアベレージも残せるというところで獲得に至った」と説明。入団後については「右バッターがトレードで2人来て競争が激しくなると思う。育成選手ですので、しっかりアピールして試合で結果を出さないと、支配下にはなれないと思います。毎日死にものぐるいでやらないといけないと思います」とゲキを飛ばした。

理想とするカブス鈴木誠也外野手を目指して、阪神でもまれて“下克上”をかなえてみせる。【菊川光一】