DeNA宮本秀明外野手(26)が、NPB残留をアピールした。「爪痕を残してやろう」と臨んだ第1打席は中日佐藤優の前に二塁ゴロに倒れたが、第2打席は巨人与那原大剛のクイックモーションにとっさに対応し、ライナーで中前打を放った。
「(安打が)ゼロよりはいいかな。久しぶりに投手の球を見て、打ち損じはあったが、大きなミスはなかった。盗塁ができればもっと良かったですが、投手との兼ね合いもある」。第3打席は楽天福井優也に空振り三振を喫した。
今季は打撃の感覚をつかんだ。1軍では打率1割3分9厘も、イースタン・リーグでは3割4分7厘、5本塁打、16盗塁。「まだ自分で(NPBを)諦めきれない。2軍では自分でもびっくりするぐらいの数字が出たので」。戦力外通告を受けた直後に現役続行とトライアウト参加を決意。社会人、独立リーグから誘いがあった中でも、揺るがなかった。
今季は打撃フォームを改造した。楽天から移籍加入した藤田一也とリハビリ組で顔を合わせると、打撃についての知識を授けられた。もらった藤田モデルを参考にバットの形状と重さと長さを変更。「感覚が変わった」とことが、2軍での高打率につながったという。
退団が決まり、三浦大輔監督のもとに、区切りのあいさつに行った。「お疲れさま」とねぎらってもらったが「あれだけチャンスをもらって結果を出せず、すいませんでした」と謝ったという。恩返しを果たすためにも、吉報を待つ。【斎藤直樹】