広島の新井貴浩監督(45)が「駒大魂」での飛躍を誓った。

17日、都内のホテルで開かれた駒大野球部OB会主催の「広島東洋カープ新井貴浩監督を励ます会」に参加。恩師の太田誠終身名誉監督(86)を前に「太田監督の存在がなければ今の私は間違いなくありません。学べた4年間は今の私のすべてをつくっています」と感謝し、「来シーズンのカープの下馬評は高くないと思います。太田監督が常日ごろからおっしゃっている、なにくそという気持ち、反骨心を持って戦っていきたい」と決意した。

太田監督も壇上で背中を押した。大学時代に監督室を訪れて広島入りを熱望したことなどの思い出を明かし「まさかレギュラーになるとは思いもよらん。39歳で最高殊勲選手となった時は正直涙しました。監督になったのは驚きであり喜びですよ。山あり谷ありの谷からはい上がってきた男。86歳のジジイにどうやって(人生を)教えてくれるのか楽しみ。1時間くらいしゃべっちゃうけれど、このへんでやめておこう」と愛情に満ちていた。

代表発起人の中畑清OB会会長(68)も「後輩の中でも大好きな男。めっちゃうれしい」と盛り上げ役をかって出た。「野球はそんなにうまくなかった。間違いなく私よりちょっと落ちるくらい」と会場を笑わせ、「監督という職業ってなかなかなれない。総理大臣になるより難しいんですよ」とたたえた。自身も12年から4年間、DeNAの監督を務めたが「私は最下位、5位、5位、最下位。でもプロ野球の監督として評価されている。それはお客さんを集めることが大好きなこと。その流れをくんでいるのが新井貴浩だと思います。こんなに早く監督に就任させるなんて彼の人間性」とエールを送る一方、「カープはまだまだ戦力が薄い。彼に『優勝』とかそういうコメントは差し控えてください。目いっぱい良さを発揮して、セ・リーグを盛り上げて大暴れしていただきたい」と重圧を緩和する優しい言葉もかけた。【鎌田直秀】