ヤクルト主将の山田哲人内野手(30)が30代でもトリプルスリーを誓った。10日、松山市の坊っちゃんスタジアムで始動した自主トレを公開。代名詞である「打率3割、30本塁打、30盗塁」の5年ぶり達成を目指す。練習終わりには同市内の権現温泉につかり、チームメートと3連覇へ英気を養った。

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ミスタートリプルスリーは30代になってもスタンスは曲げなかった。「やっぱりそこの気持ちはしっかり持っています」。山田は会見の最後をそう締めた。

23年の第1テーマは総スイング数の増加。「どちらかと言うと質を大事にしてきたけど、30歳になり衰えないよう、むしろ強化できるよう量をこなしたい」。昨季の打率2割4分3厘は1軍戦に出始めた12年以降最も低かった数字だが、前回2割4分台だった17年は、翌年に見事トリプルスリーを達成。逆境を糧にするタイプだ。

盗塁へのこだわりも改めて示した。3番山田、4番村上の打順では「走らない方がいい場面もあるかもしれないけど、貪欲に走りたい気持ちは持っている」。1番塩見とともに盗塁が増えれば「采配の選択肢も増える」と語る。この日も初日からハードなランニングメニュー。約100メートルを15秒以内に走りきるダッシュを16本こなした。

権現温泉では同僚たちとの裸の付き合いで、3連覇へ号令をかけた。正月に引いたおみくじは2年連続の大吉と縁起がいい。主将に就任した21年からリーグ優勝も続く。それでも「結果を出して先頭に立つのが僕のキャプテンとしての理想像ですから」とスキはなかった。【三須一紀】