ソフトバンク三森大貴内野手(23)が17日、シーズン初完走のための増量計画を明かした。昨季は体重74キロでフィニッシュ。「1年間戦い抜ける体」を目指し、現在は81キロまで増量した。春季キャンプが始まる2月1日までには「82~83キロにしておけば」と計画を練り、74キロからの約10キロ増で23年シーズンを迎える。

体重増へ、食事を1日5回に増やした。朝、昼、夕食に加え、夕方前と夜食には麺類を補給している。「今はしっかり土台を作ってパワーアップしたい。よりスケールアップできるようにという思いです」。年明けから2軍本拠地のタマスタ筑後で単独自主トレ中。この日もランニング、室内打撃、ノックなど、約3時間みっちりと汗を流した。

22年は飛躍の年だった。102試合出場し、101安打、9本塁打、36打点、20盗塁、打率2割5分7厘はいずれもキャリアハイ。青森山田から16年ドラフト4位で入団し、高卒6年目で開花した。それでも「毎年やるしかないという気持ち。いつもそういう気持ちです」と満足はしていない。次に見据えるは143試合フル出場。その先に目指す最多安打の勲章が見えてくる。「(最多安打は)目標で目指したいところ。毎試合積み重ねることしかできない。数字を残してタイトルを取れれば」と意気込む。

現状では二塁レギュラーの最有力候補。球団で二塁手が規定打席に到達すれば、13年の本多雄一(現2軍内野守備走塁コーチ)以来、10年ぶりになる。定位置を揺るぎないものにするための「完走ボディー」をつくり上げ、キャンプに臨む。

20年に、打席から相手の悪送球を誘ったプレーが話題となり、計略で相手を陥れる「軍師」のようだと話題になった。鷹党の間でも定着しつつある愛称。23年は「鋼の軍師」になる。【只松憲】

◆三森の「軍師」の由来 20年7月11日の楽天戦(ペイペイドーム)。5-4の8回裏無死一塁で打者は三森。その初球、相手捕手の太田がワンバウンド投球を体で止めたが、一瞬ボールを見失った。隙を狙って一走の牧原大が二塁を狙ったが、なぜか三森は二塁を指差し、太田に二塁送球を指示したような光景になった。牧原大は一、二塁間で挟まれたが送球がヘルメットに直撃。結果的に三進に成功し、三森は中堅に2点差に広げる適時二塁打を放った。SNSでは一連のプレーが話題となり、計略で相手を陥れることを連想した「軍師」の愛称がついた。後に三森の実兄・一輝さんが自身のブログで「太田の悪送球を故意的に誘ったのではなく、一塁走者の牧原大に『止まれ』と伝えるために手を出したが、牧原大が走っていたため間に合わなかった」と真相を明かしている。

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