逆襲を仕掛ける。ソフトバンク上林誠知外野手(27)が20日、熾烈(しれつ)な外野手争いを勝ち抜く覚悟を示した。昨年5月に右アキレス腱(けん)を断裂したが、すでに完治間際。春季キャンプが始まる2月1日には「120%の可能性もある」と完全復活を予告した。今オフは日本から近藤健介外野手(29)がFAで加入。主砲柳田らライバルは多いが、スタメン奪取に意欲を示した。この日は2軍本拠地のタマスタ筑後で自主トレを行った。

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上林の完全復活が見えてきた。東京都内での単独トレーニングを終え、この日からタマスタ筑後で自主トレを開始。キャッチボール、外野ノック、塁間ダッシュ、仕上げの室内打撃で入念に汗を流した。「(体は)全体的にグッドです。アップも問題なかった。普段通りかな」。明るい表情が手応えを物語っていた。

昨年5月に右アキレス腱を断裂し、シーズンを棒に振った。長いリハビリ生活を余儀なくされたが、患部の状態は「99(%)」と完治間近。キャンプインの2月1日に間に合う見込みだ。「(初日から)110(%)の可能性もあるし、120(%)の可能性もある」と自信たっぷりだ。

ようやくレギュラー争いのスタートラインに立つ。今オフは日本ハムから近藤がFAで加入。藤本監督は「3番左翼」での起用構想を明言している。右翼は主砲柳田、中堅は攻守に優れる牧原大が有力の見立てだ。他にスピードスターの周東、大砲候補の正木、ホーキンスら数多くのライバルがいる。それでも「自分のことに集中。結果がすべてなので。誰も気にせずやるしかないです」とバットで下馬評を覆す意気込みだ。

18年には143試合フル出場し、打率2割7分、22本塁打、62打点をマーク。だが、その後は年々、出場試合を減らしている。「けがをしてしまって、またゼロからになってしまった。まずはそこ(スタメン)を取りにいく」と巻き返しを期す覚悟は強い。今オフは体重を7キロ増量させ、打力アップに余念がない。

キャンプはA組(1軍)発進の可能性もある。「自信というか、気持ちはそこに向けてやっています」と引き締める。「最初の1日は大事になると思う。大事にしたいです」。2月1日、宮崎・生目の杜運動公園。球春到来を合図に、背番号51が逆襲を開始する。【只松憲】

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