ソフトバンク松本裕樹投手(26)が中継ぎ1本で挑む今季のテーマに「脱・完璧主義」を打ち出した。27日は福岡・筑後市内のファーム施設で自主トレ。先発、中継ぎをこなしてきたが、昨季の終盤戦でセットアッパーとして活躍した働きを評価され、リリーフ専念が決まっている。フル回転するためのボディ強化に加え、意識改革を続けている。

   ◇   ◇   ◇

松本裕はオリックス山岡らと広島市内で行っていた合同自主トレを打ち上げ、福岡で再始動した。ファーム施設でのトレーニングは今年初めて。キャッチボールで体の動きを丁寧に確かめ、ランニング、ウエートトレなどに取り組んだ。今オフ、体作りととともに進めているのが、意識改革だった。

「自分が一番いい時を思い描いてしまうと、良くないときに焦ってしまったりする。今日はこんなもんだと割り切って、その中でどうするかを考えていくという感じですね」

先発、中継ぎとどんな役割も器用にこなす松本裕はこれまで、シーズンを通して1つのポジションにとどまらず「便利屋」として貢献してきた。昨季は後半戦でセットアッパーに定着。自己最多44試合に登板し5勝1敗15ホールド、防御率2・66の好成績を挙げた。シーズン終了後には首脳陣の強い意向で、23年のリリーフ専念が決まっていた。

プロ9年目で初めてシーズン前に役割が固まった状態で迎えた今オフ、自主トレ仲間の山岡らと話す中でヒントを得たのが考え方の部分だった。長いシーズンを戦い抜くため「脱・完璧主義」に行き着いた。元々、多彩な球種を操り、カメレオンのように投球スタイルを変化させるのは得意。調子に合わせて変幻自在の投球を繰り出せば、相手打線もより一層、的を絞りづらくなる。「中継ぎとして1年間しっかり回って、50試合というところをクリアできるように」という目標へ、持ち味を存分に生かす。【山本大地】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧