休養日とはいえ、西武山川穂高内野手(31)は朝7時には目が覚めた。
「もう、寝れなくなっちゃってて。昔だったらオフっていったらもう、本当、昼すぎまで寝て…みたいにやってたんすけど」
2月10日朝。弟子入り中の西川愛也外野手(23)と日南市内の宿舎で朝食をとり、それぞれ風呂に入るなどして体をほぐし、昼前には電動自転車にまたがった。キャンプ休日の返上だ。休む、という選択肢はないのだろうか。
「あ、もう全くないです。最初からないです。休んでますよ。これ、休みなんすよ。別に何にもきつくないですし、ゴルフ行く方がきついんじゃないですか。山道走って。僕の中ではこれ十分休めてます」
南郷スタジアムの室内練習場に着くと、体を温めて、マシン打撃に精を出す。スローボールを中心に約2時間。あいみょんや宇多田ヒカルの歌をBGMに、2人で黙々と打つ。
「まだ試合が始まってないので、試合に対する不安とかプレッシャーとかっていうのもまだそんなにないので。体が張ってても気は張ってないんで。今は体をしっかり痛めつけて、ここから試合が入っていく中でまた微調整が始まったり、そういう戦いが始まるのかなと思います」
11日からの第2クールが終われば、WBCに向けた侍ジャパンの代表合宿へ向かう。早い時間に起きるリズムを崩さぬよう、1日を大局的に捉え、南郷キャンプを過ごしている。
西川も師に倣うように、黙々と打った。昨年は高知・春野でB班キャンプに参加。「去年の休日ですか? 全然覚えていないっすね。練習もちょっとはしたかもしれないですけど、毎日はしていないですね」。あれから1年。「休みは…ないっす」と笑うが、目標の規定打席到達へ、目の色が違うキャンプを送る。
午後3時、何百球と散った白球を片付け始めた。山川の口笛が明瞭に響く。今度はMISIAだ。
「去年のシーズン終わってから自分の中では休みなく準備してきてますので。代表合宿も最高の状態で入れると思ってます。残り4日、けがなく、いい緊張感を持った状態でライオンズのキャンプを締めくくって、ジャパンに移れれば」
11日からは松坂大輔臨時コーチ(42)が南郷を訪れ、注目を一身に集める。その間もきっと、2人は黙々振っている。【金子真仁】



