すっかり「SHODAI」のジャージー姿が、板についている。

元DeNA投手の須田幸太氏(36)は、昨年4月から、横浜商大(神奈川大学野球)のコーチに就任した。社会人のJFE東日本を21年シーズン限りで引退。22年から、平日はJFE物流株式会社の人事部で働きながら、週末にコーチを務めている。

企業説明会では、DeNAファンから声をかけられることも多いという。“二足のわらじ”で休みのない生活を送るが「楽しいですよ」と意に介さない。

選手たちを直接指導できるのは週2日のみ。平日の練習メニューは、学生コーチと連絡を取りながら考えて指示を出している。学生コーチには「動画をたくさん撮ってほしい」とお願い。平日は練習が見られない分を、動画チェックで補っている。

昨年は、選手の名前を覚えるところから始まった。1年がたち、「高校でエースとして投げてきた選手ばかり。技術より、心の面を教えることを意識しています」と言う。3月に卒業する4年生投手のうち、3人が社会人で野球を継続する。その中の1人は、須田コーチが指導を始めた4年春の投球内容が認められて進路が決まった。「選手を見つけて伸ばすことができるのが、コーチ冥利(みょうり)に尽きますね」。

今年の新チームも「楽しみな1年生が、いっぱいいるんですよ」。コーチ歴は2年目に突入。いつまでもワクワクを胸に、グラウンドに立っている。【保坂恭子】