阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が、今季の開幕前哨戦となる14日からのDeNA2連戦に闘志を燃やした。

プロ入り後初めて地元横浜に凱旋(がいせん)。東海大相模時代に何度もアーチを描いた原点の球場で、森下恐るべしを印象づけ、シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)との3番バトルも制す意気込みだ。

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森下が「ハマスタ」の響きにニヤリと反応した。「ハマスタが一番、観に行っていた球場で、思い出のある球場。一番楽しみです。いやな印象を相手チームにつけたい」。横浜で生まれ育ち、DeNAを何度も観戦し、中軸を担った東海大相模時代には何度もアーチを描いた原点のスタジアム。5年ぶりの凱旋試合で、今度は開幕で戦うDeNAに森下恐るべしを印象づける意気込みだ。

DeNAとの対戦は2度目。初対戦の2月18日の練習試合(宜野座)では、阪口から中前に運び“プロ初安打”をマークした。その1本で勢いに乗ってアピールを続け、オープン戦も1本塁打を含む打率3割と好調をキープしている。「同じチームと何試合もやることが自分としても新鮮。一回打っただけじゃダメだと思う」。初対戦で初安打した好感触を、今度はがい旋アーチにできれば最高だ。

「高校で一番打っている球場です」。特に思い出深いのは高3夏、北神奈川大会の準々決勝の県立相模原戦だ。3番森下は2点を追う9回無死二塁から、高校通算57号となる起死回生の同点2ランを放ち、劇的なサヨナラ勝ちに貢献した。「9回の同点本塁打だったので、覚えています」。その後、同球場で行われた準決勝の慶応戦は惜敗。春夏連続の甲子園はならなかった。背番号1にとって、青春時代の思い出が詰まった特別な場所がハマスタだ。

強烈な刺激をもらった。侍ジャパンの一員として1次ラウンドで2本塁打を放ち、8強進出に貢献した中大の2学年先輩の牧(DeNA)だ。「ホームランの打ち方、聞いときます(笑い)」。同じ右のスラッガー同士で学ぶべき点は多い。今回のDeNA戦で牧はいないが、後輩が活躍すれば侍の先輩にエールを送れる。何より開幕戦での“中大対決”が楽しみになる。

森下とともに3番候補に挙がるノイジーも左腰の張りから復帰。12日の巨人戦(甲子園)では、来日初のマルチ安打を放つなど状態を上げている。「毎回毎回、自分らしいスイングをしていきたい」。新人開幕3番へ、負けじと前進あるのみ。ハマスタに号砲を響かせる。【三宅ひとみ】

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