ソフトバンク藤本博史監督(59)が、若鷹のアピール不足を嘆いた。今回の巨人とのオープン戦3連戦を、1軍振り落としの1つの期限に設定。

その初戦で正木智也外野手(23)、リチャード内野手(23)、渡辺陸捕手(22)ら当落線上のメンバーからは快音が聞かれず、さっそくカンフル剤の投入を決めた。

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オープン戦2試合連続の完封負けをくらい、藤本監督は語気を強めた。「ちょっとさみしいね。アピールがね。若い選手は工夫が全くないですね。同じような球に同じようにやられているようでは、1軍の投手はそう簡単に打てないということですよね」と苦言を呈した。

開幕後の1軍野手枠は16人の方向。現時点ではWBCに出場している近藤ら4人を合わせると、20人以上の1軍候補がいる。オープン戦ではここまで大きな入れ替えはなかったが、首脳陣は巨人との3連戦をメンバーふるい落としの期限に設定した。特にこの日は、期待をかける「当落線上」の選手への思いが垣間見える起用になった。

春季キャンプMVPに指名された2年目の正木は「打席に多く立てるように」と1番で起用。だが4回2死一、二塁の好機で空振り三振に倒れるなど、3打数無安打に終わった。大砲候補のリチャードはフル出場で4打席を与えられたが、1四球のみで無安打2三振。地元の熊本で先発マスクを託された渡辺陸も3打数無安打。守備でも2度のバッテリーエラーを犯すなど、精彩を欠いた。

藤本監督は試合後に早速、2軍戦で好調の増田を15日から昇格させることを決定。「最初から、サバイバル、競争だと言っている。打席数もまんべんなく使っている。そこで結果が出なければ、負けたということですから。これからどんどん厳しくなってくる」。カンフル剤を投入し、さらに競争をあおった。【山本大地】

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