ソフトバンク和田毅投手(42)の開幕ローテーション入りが内定した。巨人とのオープン戦(ペイペイドーム)に先発し、4回2安打1失点、毎回の7奪三振と好投。試合後に藤本博史監督(59)が「今日のピッチングだったら大丈夫」と明言した。新球種に「縦スライダー」を加えたベテランは、開幕2カード目の第2戦、4月5日オリックス戦(京セラドーム大阪)に先発する見込みとなった。

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和田が今季初先発で快投した。4イニングを62球、2安打、7奪三振、1失点。四死球もゼロだ。藤本監督は「良かったですね。球数も少なく、もっと行けそうやなって」とほっとした表情で、開幕ローテ入りについて「大丈夫ですね。今日のピッチングだったら大丈夫じゃないですか」と内定を出した。

プロ21年目の42歳。伸びやかな直球は健在で、さらに今季は新球「縦スラ」が武器となりそうだ。球速は120キロ台中盤で、鋭く縦に曲がる。打者相手に初めて試投し「スピードも理想の124、125、126キロ。自分のイメージ通りでした。空振りも取れたし、(4回に)中田選手のバットも折ることができた。イメージしているバッターの反応でした」。昨季は直球が自己最速を更新する149キロを計測。進化が絶えないベテランは、2023年も進化している。

「カーブとはスピードが違う。カーブと思って振りにいけば、差し込まれる。スライダーと思ったら遅いので、泳いだり。もう1個、球速帯があるだけでバッターは迷ってくれる」

今後も試行錯誤を繰り返し「本番までに使える球種にしたい」と引き締めた。

順調に進めば、オリックスとの開幕2カード目の第2戦「4・5」に向かうことが濃厚。相手は現役投手では最多の31勝(11敗)を挙げている“お得意さま”だ。「第5の男」として、リーグ2連覇中の宿敵に立ち向かう。

今後は2軍戦も含めて調整登板を進める。「次はどこで投げるか分からないですけど、言われたところで投げるしかない。しっかり準備したいです」。すがすがしい表情が、和田の好調ぶりを物語っている。【只松憲】

■残り1枠

ソフトバンクの開幕ローテーション最終1枠は、熾烈(しれつ)な争いになりそうだ。候補は板東、有原、ガンケル、武田、高橋礼の5投手。

板東はこの日の巨人戦で3回無失点。ピンチを背負いながらも、粘りの投球でアピールした。有原、ガンケルの新加入コンビは16日の巨人戦で登板する。前回9日ヤクルト戦で3回6失点だった有原は「しっかり狙ったところに投げて、弱い打球を打たせられるように」と意気込んだ。藤本監督も「前回と違ったピッチングをしてくれると信じている」と期待を寄せた。

12日の西武戦で2回無失点だった武田、14日の教育リーグ阪神戦で5回無失点だった高橋礼も名を連ねる。開幕2カード目の第3戦、4月6日オリックス戦に先発する「第6の男」に注目だ。