“WBC舞台”で、お目覚めの1発だ。日本ハム清宮幸太郎内野手(23)がオープン戦トップに並ぶ4号2ランを放った。

巨人とのオープン戦(東京ドーム)は4回1死一塁、堀岡から左方向への1発。8日ロッテ戦(ZOZO)の第1打席で本塁打を放って以降、この日の第1打席まで20打席無安打が続いた。2日前までWBCが行われていた東京ドームで快音を響かせ、6試合21打席ぶりの一打をきっかけに、再び調子を上げていく。

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東京ドームに集まった2万9508人の大歓声が、清宮復調のエネルギーになった。第1打席で三振に倒れ、迎えた4回1死一塁の第2打席。巨人堀岡の148キロストレートを捉えると、打球は一直線に左翼スタンドへ吸い込まれた。「たくさんの皆さまの前で野球が出来て本当にうれしい。いい場面で打てて良かった」。声出し、鳴り物応援も戻った中での1発に、気持ちが高ぶった。

2日前の16日にはWBC準々決勝、日本-イタリアが行われたばかり。OBのダルビッシュや大谷、近藤らが輝いた舞台で、自身は12球団トップタイの4号。「ここでやってたんだなあってのは、何か感じるものがあった。やっぱり東京ドームいいっす」。将来、日の丸をつけ、侍ジャパンで活躍する自身の姿を、思い描いた。

苦しみながらの1発だ。8日のロッテ戦(ZOZO)で3号を放ってから、鳴りをひそめた。「いろいろ考えて。毎日、試行錯誤しているのですが。今日出た1本も、何か違うなって感じがしていて」。まだまだ納得はできていない。だからこそ「そういう状況でも1本打てたのは、前向きに捉えたい」。ここまで3発は右方向。4本目で初の左方向へ1発をかまし、6回2死からは右前打も放つなど対応力もさえてきた。

当然、守備での課題は、しっかり頭に入れている。15日の西武戦から野村に代わり、三塁で2試合目。この日は1点差に詰め寄った7回一、三塁で捕球ミスから一塁へ悪送球した。これが大きな5点目を献上し「やっぱりミスをしたらこうやって負けてしまう。最悪。もう1歩、踏めたかな。まだ1歩、1拍が遅れてしまう」。収穫と課題を冷静に見つめ直し、新球場での歴史的開幕戦勝利を、引き寄せる。【永野高輔】

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