開幕メンバー選定へ向け、ソフトバンク藤本博史監督の悩みがまた深くなった。広島とのオープン戦本拠地最終戦に快勝。不調だった打線が活気づき、2戦連続2ケタ安打。試合後、藤本監督は「最後にいい形で終わって、もう1日頑張っていい形で開幕に入れたらいいんじゃないかと思う」とエビス顔で話したが、打線の奮起は指揮官の決断を鈍らせることにもなった。

打撃不振でスタメン落ちしていた三森大貴内野手が途中出場で適時三塁打。この日、初昇格し1番センターで先発出場した佐藤直樹外野手は2回に1号3ランを左翼席に打ち込んだ。さらに右の大砲候補・正木智也外野手も5回に中堅越えの三塁打。「三森も最後に意地を見せてくれました。佐藤直は守備、肩はトップクラス。打つ方がよかったら使えそう。正木も内容いいねえ。ここに来てみんな打ち出したから。うれしい悩みですよ」。藤本監督をうならす若手打撃陣に、開幕メンバー選考の「決断」も先送りとなった。「明日(の試合後)、最終決定します」。キャンプから競争をあおり続けた藤本監督が、今度はしっかり答えを出す番となった。

○…開幕2戦目に先発する藤井皓哉投手が完璧な投球で最終調整を締めた。広島打線を5回3安打無失点に抑え、4者連続を含む7奪三振。「(調整が)しっかりできているか確認することが一番だったが、しっかりできたのでよかった」。2回2死のデビットソンから3回の坂倉、菊池、田中と4者連続。150キロ超の直球にフォークを軸にスライダー、カーブを組み合わせテンポよく70球を投げ込んだ。「チームが勝てるような投球をシーズン通してできるようにしたい」。古巣相手に納得の仕上がりを確認した。

○…佐藤直が開幕メンバー滑り込みへ豪快な1発でアピールした。キャンプ直前に虫垂炎のためリハビリ組で過ごしてきたが、今季オープン戦初出場に発奮。1番センターで先発出場すると2回の2打席目に左翼テラス席へ1号3ランを運んだ。「ちょっと詰まったけど、いい感じで打てた。(オープン戦は)残り1試合だけど、内容のいい打席にして、開幕1軍をつかみ取れればいい」と、さらに気持ちを高めた。

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