アベック弾で開幕準備OK! 阪神佐藤輝明内野手(24)がお目覚めの2号ソロを放った。

オリックス戦(京セラドーム大阪)の初回に4番大山悠輔内野手(28)の2試合連続となる2号3ランが飛び出すと、負けじと4回に左中間へ21打席ぶりにアーチを描いた。前日24日に岡田彰布監督(65)がチーム全体に怒りのゲキを飛ばしており、主軸が結果で満額回答。オープン戦も残り1試合。猛虎打線がようやく眠りから覚めた。

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開幕に向けて、ひと安心の放物線だった。4回。先頭の佐藤輝がカウント1-0からオリックス先発山崎福の外角直球を強振し、左中間方向へ飛ばした。「積極的にスイングしていこうと思っていましたし、しっかりと振り切ることができた」。21打席ぶりの2号ソロ。初回に2戦連発の先制3ランを放った4番大山との今季初のアベック弾。猛虎打線の目覚めを告げるアーチ攻勢となった。

岡田監督のゲキに、結果で応えた。大山や佐藤輝ら主力選手の打撃は低空飛行だった。開幕投手の青柳も精彩を欠き、前日24日の試合後に、指揮官は「もうちょっと危機感持たなあかんわね、みんながみんなやけど。あと2試合しかないんやで。そんなん伝わってこおへんわな」と怒りをにじませていた。一夜明けて、3番ノイジーもマルチ安打を放つなど、打線の調子は急上昇。「言ってできるんやったら、毎日言うわ。毎日言っても効き目ないやろ。たまに言うのがええやないか、時期的にものう」とご満悦だった。

31日のDeNAとの開幕戦。先発は石田ということもあり、シーズン直前に開幕の舞台で左腕の球を仕留められたことも収穫だ。佐藤輝は「アプローチの仕方などを確認できたので、良かったかな」と手応えを隠さなかった。5回2死一、二塁では再び山崎福からファーストストライクを狙い右前打。マルチ安打で満塁とし、チャンスメークした。主軸の復調で、猛虎打線は完全に眠りから覚めた。11安打7得点でオープン戦の連敗を「4」で止めた。

ドラフト1位森下の活躍が目立つが、やはり佐藤輝の爆発は「アレ」へ必要不可欠。「しっかり振っていきながら、頑張りたい。積極的にいきたいなと思います」。オープン戦最終戦で、総仕上げに入る。【三宅ひとみ】

○…渡辺諒が攻守で猛アピールした。5回に代打で登場し左翼へ二塁打。オープン戦10安打のうち二塁打が5本、本塁打1本と長打力を見せる。守りでも8回、佐野皓の中前へ抜けそうなゴロを滑り込んで捕球。反転して一塁へ送球し、俊足打者をアウトに仕留めた。「本当に必死にプレーしていたので、アウトにできてよかった」と笑顔。二塁レギュラーの中野がWBCから戻る中、シートノックでは三塁に入るなど出場機会を増やそうとしている。

○…WBCで世界一に貢献した中野が26日のオリックス戦に出場する。チームに合流し、二塁でノックを受け、遊撃の小幡、木浪と併殺プレーなど連係面を確認。「残り1週間くらいですけど、どこにボールが欲しいのかと、そういうのを含めてコミュニケーションを取っていけたら」と確認事項を詰めていく。世界一の実感は「あまりない」と話したが「今まで感じたことのない緊張感の中でプレーできた。本当に自分の中ではそこが一番の財産」と振り返った。大きな経験を自信に、開幕戦に向けて調整を進める。

○…26日のオリックス戦に先発する才木が総仕上げに入る。前回先発した19日敵地ヤクルト戦では1発を浴びるなど5回3失点。開幕前ラスト登板へ向け、長いイニングを投げることを念頭に置く。「ボールの感覚、配球だったりは実戦の中でしか確認できないので、いい形で開幕、シーズンに入れるようにしっかり投げていきたい」。結果も残し、先発が確実視される4月2日DeNA戦へ弾みをつけたい。

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