やっと出た! 阪神佐藤輝明内野手(24)が開幕15試合&55打席目の初タイムリーなどマルチ安打で4日ぶりの単独首位を導いた。5回に先制を呼ぶ二塁打を放つと、6回は中押し適時打。ヘルメットを飛ばした激走、ヘッドスライディングで執念を体現し、ユニホームを泥だらけにして勝利に貢献した。不振でスタメン落ちも味わうなど苦しむ3年目。背番号8が打てば打線も活気づく。今季最多タイの6得点で首位がっちりだ。

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待望の3点目は、佐藤輝“らしくない”スイングから生まれた。2点リードの6回2死二塁、2ナッシングと追い込まれての4球目。島内の外角154キロの直球に逆らわず、振り切らずにミートした。打球は三遊間を破り、今季15試合、55打席目の23年初タイムリー。得点圏15打席目での初ヒットが、4日ぶりの単独首位浮上を大きくたぐり寄せた。

佐藤輝 いい形ではなかったけど必死に食らいつきました。どんな形でも結果は結果なので、よかったと思います。

価値ある一打は、フルスイングから軽打に切り替えた産物だった。直球攻めにマン振りで対抗したが2球連続空振り。ファウルを挟み、コンタクトを重視したスイングでとらえた。岡田監督から「コンパクトにいけ」と助言があったといい「何でもよかったので、前に飛んでくれてよかったです」と胸をなで下ろした。

相手先発は前回5回0封され、降雨コールドで敗れた遠藤。食らいつき、泥臭いプレーで突破口を開いた。両軍無得点の5回先頭。内角直球に詰まりながらもチーム初ヒットを左翼線に落とした。「1つでも先の塁にと思ってるんで」と、一塁を蹴ってギアを上げ、二塁へ頭から滑り込んでチャンスメーク。井上が右前打で続き、無死一、三塁から坂本の右犠飛で先制の本塁を踏んだ。開幕戦以来14試合ぶりとなるマルチ安打で打線を活気づけ、今季最多タイ6得点の快勝に導いた。

まだまだ本調子ではない。それでも勝利のために、必死に体を張った。ようやく出た初適時打に、岡田監督は「ようやくておまえ、汚い当たりで」と笑いながらも「まあでもチャンス広げたからな」と及第点を与えた。打率も1割9分1厘まで上げ「身長(187センチ)くらいか? まあもうちょっと上がってくると思うで」と白い歯を見せ、復調への期待を膨らませた。

タイムリー後の7回の守備に就く際には、スタンドの虎党から「テール、テール」とたたえられ、帽子を取って深々と頭を下げた。泥だらけのユニホームで汗を拭い「この先も何回も聞けるように頑張ります。3つ勝ちたい」と気合を入れ直した。さあお次は待望の初アーチだ。【古財稜明】