日本ハムの4番野村佑希内野手が、清宮離脱と前夜の大逆転サヨナラ負けを振り払った。6回1死一、二塁で左中間フェンス直撃の先制2点適時二塁打。「チャンスで、同じような打席を3回も繰り返しちゃいけないなと」。初対戦の楽天荘司に対して1、4回はカットボールに合わせられず空振り三振。そんな失敗を糧に三度目の正直でカットボールを捉え、これが決勝打となった。

新庄監督の“勘ピューター”でも予測不能の一打だった。「ジェイ(野村)もね、不思議なところで打ちますね」。打てそうな気配を感じなかった2打席から、しっかりとアジャストした主軸の一打に「4番の仕事、してくれました」と笑顔。チームでただ1人、開幕から打順が変わらない野村は、指揮官の期待に応えるように15打点でリーグトップに躍り出た。

主力の責任感も日に日に増している。この日、3番で打撃好調だった清宮が左脇腹を痛めて登録抹消。「キヨさんに頼っていた分は、僕と万波でカバーしていければ」と、求められる役割も分かっている。「本当にチャンスで打つこと。打点を稼ぐこと」。故障離脱者が相次ぐ中でも力強く4番の仕事を続けて、チームを最下位から浮上させる。【木下大輔】