<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム5-2ヤクルト>◇31日◇エスコンフィールド

逆輸入ルーキーの歴史的な大活躍で、新庄日本ハムが交流戦単独首位に躍り出た。米球界からドラフト3位で入団した加藤豪将内野手(28)が、来日1号を含む2打席連発。3回の第2打席でヤクルト市川からメジャーでもなかった1発を放つと、5回の第3打席でも同じような弾道で右中間へ運んだ。野球人生初の2打席連発。自称“担当スカウト”の新庄剛志監督(51)も大喜びだった。

  ◇  ◇  ◇

加藤豪が右脇腹肉離れで戦線離脱して過ごしたリハビリ期間は、NPBを勉強する大事な時間になった。「アメリカと日本では全然違う野球をする。こういう感じなんだと(公式戦を)汗かいて見ていました」。違いの1つがロースター。ベンチ入り人数の違いだ。

控え野手は捕手を除いてメジャーは3人ほど。日本は6人ほどで同一ポジションに1試合で複数人が守備に就くことも普通にある。「“ウインパーセンテージ”を上げられる組み合わせが多くあるのは日本のルールだからできること」とインプット。同時に「どう自分が活躍するかを想像しながら見ていた」と、自分が勝利に貢献するいろんなパターンをシミュレーションして「疲れました」。

米国での10年間でスタメンが確約された立場になったことはない。だから、いつでも、どんな役割でも全うできるユーティリティープレーヤーの道を究めてきた。「そういう“エクスぺリエンス(経験)”や『試合に出なくても試合勘をキープする』っていう能力は、僕以上にある人はいない」。野球人生初の長期離脱で出遅れても、米国で培った実力が確かなものだと証明した。【遊軍=木下大輔】