オリックス宮城大弥投手(21)が気分屋な天気にも負けず、52日ぶりの7勝目を手にした。「いろんな球で勝負できたのはいい感じでした」。7回途中6安打3失点。6月18日ヤクルト戦以来の白星となった。

初回2死二塁で雨が強まり一時中断。その14分後、4番ポランコを5球目のスライダーで三邪飛に仕留めた。「ピンチからの再開だったので、1球1球大事にと考えて待っていました。0で抑えられたのは良かったかなと思います」。しっかり状況を見て、集中力は切らさなかった。

「セミが鳴いてるなって。春の頃は桜が満開で咲いていたんですけど、3日後には散っていて。ちょっとした変化ですけど」。街を歩いていると、宮城は季節の移ろいによく気づく。母校・興南高の我喜屋監督に言われていた「周りの変化に気づけ」の教えを、今も自然に続けている。

街だけでなくマウンドでも。「余裕がある時は守っているポジションとか、周りの変化にもすぐ気づけます」。自分から野手に声をかけることで、より余裕が出る。「視野がちょっと、一直線の場面から広がって楽に見えたりします」。この日は5回までに3点の援護ももらい、落ち着いて120球を投じた。

2位ロッテとの直接対決で連勝し、ゲーム差は7に拡大。最短16日にも優勝マジックが点灯する。宮城も「まだまだできると思いますし、選手がやることをやって、もっともっと優勝に向かって頑張りたい」と頼もしい。3連覇へ、いよいよ独走態勢だ。【磯綾乃】

▼オリックスの優勝マジック点灯は最短で16日。10日からオリックス6連勝または5勝1分けでロッテが6連敗のとき、3位ソフトバンクの結果次第でM29となる。

○…中川圭が4打数4安打4打点と大活躍した。3回2死一塁で先制の中越え二塁打を放つと、5回も2死二塁から2点目の左前適時打。7回には10号2ランを放ち、三塁打が出ればサイクルヒットだったが最終打席は四球。「フォアボールを取れたというのが、価値があると思うので。そっちの方が良かった」とチーム打撃を貫いた。中嶋監督も「流れ的にダブルプレーとか2アウトからなんで。圭太が救ってくれた」とねぎらった。

○…太田が“打ち直し”の2号2ランを放った。7回無死一塁で、ロッテ坂本の初球を捉えて右翼へスタンドイン。「しっかり積極的にいけたのでよかったです」。1軍復帰初日となった前日8日の第1打席で、ギリギリのフェンス直撃二塁打。柵越えにも見えた打球に対して前夜にリクエストせず、悔やんでいた中嶋監督は「今日はもうリクエストせんでもいい、ホームランでした。素晴らしい」とたたえた。

▽オリックス森(1軍復帰後初の4番捕手で先発し、3点目の適時打)「宮城も頑張って投げていたので、なんとか追加点になってくれてよかったです」

 

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