阪神岡田彰布監督(65)が、最終回にリクエスト判定を巡って審判団に抗議した。1点を追う9回、1死から佐藤輝が安打で出塁すると、代走熊谷を送った。代打糸原の4球目、熊谷が二盗を仕掛ける。DeNA捕手山本からの送球はワンバウンドし、遊撃京田のグラブに。京田は二塁ベースに入った流れで左足でベースをブロックし、熊谷のベースタッチを防ぐような形になった。

いったんは盗塁成功と判定されたが、DeNA三浦監督がリクエスト。その結果を、敷田責任審判が場内に説明。「セカンドのところで、走者と野手が接触しましたが妨害とはいたしません。よってアウトとです」とアナウンスした。

岡田監督は納得できず、審判に説明を求めた。熊谷も厳しい表情で近寄った。スタンドからはブーイング。「審判やめろ」のヤジや岡田コールも起こった。岡田監督は約5分間抗議したが、最後はしぶしぶ引き下がった。

試合後に取材対応した敷田責任審判、小林二塁塁審の一問一答は以下の通り。

 ◇   ◇   ◇

-どういうやりとりがあったのか

敷田責任審判 放送した通り、ベースをふせぐような映像になってたから、お客さんを含めて、妨害とかそういう思いがあるのかなと思いまして、先にマイクで、妨害(の判定)とはしない、判定はアウト、と伝えたところ、岡田監督が「放送が聞こえなかった」と。もう全く聞こえないからっていうので同じ説明をしたら、岡田監督の意見は妨害で。我々審判の検証結果は、故意とかそういうのはない、もう偶然あの形になった。もうお互い、精いっぱいのプレーをして、ああいう形になったので、ベースに届かないのは、もうアウトにするしかないということで、アウトという答えを出しました。

-あれはコリジョンルールには触れない

敷田責任審判 はい。

-コリジョンルールが適用されるのは本塁だけ

敷田責任審判 はい。

-二塁はあくまで、塁妨害があったかどうかだけ

敷田責任審判 そうですね。走塁妨害という風には見てないので。もうアウトなので。

-それはなぜ

敷田責任審判 もう野手も、あのプレーが精いっぱい、ワンバウンドを捕るために。意識的にそういう場所に足を出したとかがあったら、ちょっと考え方も変わるんですけど。目いっぱいのプレーをして、それが偶然、足が止まる形になった。もうこれは、ベースに届いてなかったから、アウトにするというのが今日の答えです。

-守備の動作の途中でベースの前に入ったからと

敷田責任審判 そうですね。もう、妨害という風には映らなかったです。

-阪神側は故意かそうじゃないかというのは抜きにして結果として足があそこにあれば妨害じゃないかと

敷田責任審判 いろいろ過去も、こういうのはあったとは思うんですけど。妨害っていう風にしたのも、きっとないと思うんですよね。守備側に意図的なものが見えれば、フェアプレーじゃないからっていうことで、我々も考えるんですけど。今日はもうほんと精いっぱいのプレーで、たまたまああいう形になったっていう映像の検証の結果です。

-抗議5分ほど、そこは監督には伝えた

敷田責任審判 伝えました。

-遅延行為は取られなかった

小林二塁塁審 自分が(時計で)計ったんで。3分超えたところで、遅延行為で退場になりますよって(伝えた)。もう下がってくださいと。自分の時計で4分半だと。これ以上やったら退場にになりますよっていうのは。

-かなり激しい抗議

敷田責任審判 やっぱり監督の方からの見え方と、我々の見え方っていうところで、言い分の食い違うところは出てくる。こっちの説明をして、岡田監督にも、もっと早く納得してもらえるとよかったんですけど。

-意見が食い違ったのは故意か故意じゃないかというところか

敷田責任審判 そうですね。妨害とみるのかみないのかというところで、同じことのやりとり、繰り返しになっちゃうんですけど。

-最初の二塁塁審のセーフ判定はタイミングで

敷田責任審判 足の確認ができてなくて、ベースに足はついてると、その後のタイミングでセーフだという判定。リクエストでチェックして足が届いていないということで、アウトに変更しました。

-リプレー検証になってから長い抗議はあんまりなかった、久しぶり

敷田責任審判 そうですね、非常に珍しいプレーというか、いろいろ説明を求められるんじゃないかなっていうのもあったので、先にマイクで説明させてもらったんですけど、音響でよく聞こえなかったというところで同じ説明を繰り返すような形にはなったんですけど。

-メジャーではストライクボールで退場はあるが、日本では危険球以外の退場はあんまりない、久しぶりにこんな抗議

小林二塁塁審 最初に言ったのは、監督が「聞こえないから説明してくれ」ってことで、リクエストとか判定に関しての抗議ではなかったです。「どういう結果になったのか説明してくれよ」ってことで責任審判の方に。ただその、言い方が妨害だどうのこうのってことなので、そこから時計で計って。

-連盟に届けたりは

敷田責任審判 報告は入れてます。今、こういうことがありましたと。

-ビデオを見て反省は

敷田責任審判 今ちょっとやってました。

-最終的には時間オーバーで岡田監督は納得して

敷田責任審判 そうですね、遅延行為ですよってお伝えして。

小林二塁塁審 3分4分なって、監督は「俺はもう引かん」って言ってたけど。これで退場は出せますけど、雰囲気と時間を守らないとねってことで。

-妨害じゃないって納得して引っ込んだわけではない

敷田責任審判 そうですね…。それで、最終的には。そこは…、監督の気持ちがどうなのか分からないけど、最後はそういうことで引いていただいた。

-暴言は

敷田責任審判 暴言は一切ないです。

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