関甲新学生野球連盟1部リーグ、新潟医療福祉大の大久保翔太外野手(4年)がプロ志望届を提出することを明言した。同大から野手がプロ志望届を提出するのは初めて。50メートル走5秒7の走力と、野球センスを持ち合わせた医福大の“韋駄天(いだてん)”がプロ入りを目指し、ラストシーズンでアピールを続ける。

 

「育成でも何でもプロにつながれば」。大久保がプロ志望届の提出を明言した。プロ入りへの思いを固めて臨むラストシーズンに大久保は結果にこだわる。相手にとって脅威の足が武器のスピードスター。「自分が塁に出て、走って得点してベンチが盛り上がっている。そういう時が一番楽しい」と目指すプレースタイルを思い描く。

ただ、足が速いだけではない。鵜瀬亮一監督(43)は大久保をこう評す。「強みは野球勘にあると思っている。どの塁にいても危険な存在。試合を動かせる力がある」。大久保も「相手守備の隙を突いたり、ひと安心したところを狙う。走塁で流れを持って来て、勝利に導ければと思ってプレーしている」と言う。

打撃も進化した。ミート力に加え、強振して打つことを意識。春季リーグは39打数15安打で3本が長打とパンチ力もアップし、打率3割8分5厘、出塁率4割超えと1番打者として存在感を示した。「内野安打だけじゃないことは証明できた。秋はこれに加えて状況に応じてセーフティーとか混ぜて相手にとって、もっと嫌な存在になりたい」とさらなるアップデートを重ねるつもりだ。

同大からは21年の阪神ドラフト3位指名、桐敷拓馬(24)ら投手4人がプロ入りする。野手のドラフト指名はまだない。「プロが最大目標なので、もちろん意識はしますけど、まだ1回も勝てていない上武大に勝ちたい。その思いも強いです」。秋季リーグは9月2日に開幕する。チームを勝利に導き、結果がついてきた先にプロ入りが見えてくる。【大島享也】

◆大久保翔太(おおくぼ・しょうた)2001年(平13)6月27日生まれ、茨城県出身。小1から野球を始め、中学時代は取手シニアに所属。関東第一高3年時に夏の甲子園で8強入り、茨城国体では優勝に貢献した。大学2年春には首位打者、最多安打、ベストナイン、新人賞の“4冠”獲得。174センチ、67キロ。右投げ左打ち。