オリックスが育成の星の躍動で、優勝マジックを「16」に減らした。

前日に連敗を止めたエース山本に続いたのは、昨年7月に支配下登録された東晃平投手(23)だった。走者を出しながら2度の併殺でしのぎ、7回途中5安打1失点(自責0)。この日最速152キロの直球で押し込めば、球速差約50キロの103キロカーブでタイミングを外す。緩急で手玉に取った。

「すごく責任を感じて投げています。いい緊張感の中で投げられている。自信にもつながるし、今後の成長にもつながっていると思います」。

進化のきっかけは“世界一打線”との対戦だった。3月7日に行われた侍ジャパンのWBC強化試合。相手はエンゼルス大谷らが並ぶ強力打線。「このメンバー、これ以上の打線はない」と中嶋監督に先発を任されたが、2回4安打7失点で降板した。

「通用するんじゃないかと思っていた部分もだめで。緩急とかで勝負していかないといけないなと、もう1回考えさせられた試合だった」。成長を期待する指揮官から指摘されたのは、4四球を出した姿勢。「ボール先行で逃げ、逃げって見えてしまってた。『いいところもあるよ。まずゾーンに投げないと振ってもくれないよ』と」。教訓と助言を生かし、この日は逃げずに内角へしっかり攻めきった。

7月30日に今季初先発してから無傷の4連勝。優勝を目前とするチームで大きな戦力となっている。「今ローテで投げられているというのはうれしいです」。次々に台頭する投手陣はオリックスの強さ。負けられない終盤戦も育てて勝つ。【磯綾乃】

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