ヤクルト村上宗隆内野手が、球団の日本人では岩村以来17年ぶりとなる3年連続30号を放った。2-2の4回1死、DeNA石田の141キロ外角直球を捉え、左翼席へ勝ち越し弾。「少し詰まりましたが入ってくれて良かった」。美しい放物線を描く主砲の一打に、場内は大きくどよめいた。悠々とダイヤモンドを1周すると、ベンチ前でつば九郎とハイタッチし、恒例のおなかを触るパフォーマンス。「目標はもっと上だったんですけど、最低限。30本は打てているのでまた頑張ります」と貪欲さをにじませた。

昨季は日本人史上最多の56本塁打を放ち、今春は侍ジャパンをWBC世界一に導いた不動の4番だが、3、4月はわずか2本塁打と苦しんだ。しかし、5月以降は一気に復調。持ち前の長打力を取り戻した。

対DeNA、対左腕石田。得意な条件がそろっていた。今季は対右投手で21打席に1本。左投手からは15打席に1本の割合で本塁打が出ている。さらに球団別では最多タイの8本をDeNAからマークした。

昨季と比べ56本から30本と本塁打の総数は減らすも、逆方向への割合は今年の方が多い。セ・リーグで20本以上をマークする打者で40%(30本中12本)を逆方向に飛ばす打者は村上だけ。強打者の証しは昨季の32%(56本中18本)から増えた。満員御礼の「大入り袋」が配布され、2万9353人を熱狂させた4番は「これだけ多くのお客さんが入ってくれているので、勝ち試合を多く見せたい」。残り11試合を量産体制で締めくくる。【佐瀬百合子】

▼村上が3年連続4度目のシーズン30号。村上は今季6年目だが、プロ入り6年目までに30本以上を4度記録したのは原辰徳(巨人)清原和博(西武)に次いで3人目の最多タイ。原は村上同様6年目に4度目(82、83、85、86年)をマークしたが、清原は5年目までに4度(86、88~90年)記録している。

▽ヤクルト小川(自身4連勝で9勝目)「全然良くなかったんですけど、なんとか気持ちで踏ん張った。5回のピンチを三振で切り抜けたところが大きかったです」

▽ヤクルト山田(6回に2試合連発の12号ソロ)「こんな順位ですし個人成績も良くないですけど。たくさんの人が見に来てくれているので、一生懸命やって何か感じてもらえるようにプレーできたらと思います」

【動画】ヤクルト村上宗隆3年連続30号!外の真っ直ぐを逆方向へ運び左翼席へ 通算190号