ケガするでホンマ…。阪神岡田彰布監督(65)が22日、試合開始予定時刻から30分遅れて雨天中止が決まったヤクルト戦(神宮)におかんむりだ。雨が降りやまず中止となったが、指揮官は決断の遅さに苦々しい表情。とはいえ、85年以来2度目の日本一を狙う虎にとっては恵みの雨となりそうだ。代替試合は10月3日以降に入る予定。18日開幕のクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージまでに期間が空きすぎる中、10月上旬の公式戦試合は大きな追い風となる。

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降りやむ気配はまったくなかった。マウンドや本塁付近にかけられた青いシートに、激しく雨が打ちつけられる。試合開始を30分遅らせ、バックスクリーン上のビジョンには「18時30分開始予定で準備を進めております」と表示されていた。それなのに3分前になっても両軍ベンチに動きがない。ベンチ裏では関係者がバタバタと走り回り、午後6時30分に中止が決定。場内アナウンスが流れると、悲鳴が響き渡った。

中止決定直後、岡田監督はおかんむりだった。「だって練習してる時から雨降ってたんやから。ええ? 1時間半、雨降り続いてんのに。こんなんで無理やりやってもな。ケガでもしたらっていう。それが一番やんか」。遅くなった決断に怒りを隠さなかった。

練習中の午後5時ごろから雨が続いた。シートノックもできなかった。スタメンには近本、中野、大山、佐藤輝、坂本とレギュラーが名を連ねていた。「こっちは選手の体のことをな、体調を考えるのが当たり前やんか」。リーグ優勝後の消化試合ではない。ポストシーズンへ向けた大事な時期に故障しないためにも、雨粒が染み込んで滑る人工芝ゲームは避けたかった。

とはいえ、10月1日にレギュラーシーズンを終える予定だったチームにとっては恵みの雨に違いない。同2日は1日広島戦(マツダスタジアム)の予備日となっており、この日の代替試合は3日以降に組み込まれる可能性が高い。指揮官も「それは向こうが決めるんやから。10月になるのは分かってることやから」とイメージする。

当初はCSファイナルステージ開幕日の10月18日まで16日間も公式戦から遠ざかる予定だった。紅白戦やアマチュアとの試合では実戦感覚は保てないと、指揮官は宮崎でのフェニックスリーグに主力を向かわせる方針を明かしている。そんな状況の中、10月上旬に公式戦が1試合増える事実はプラスでしかない。

雨天中止は7月7日ヤクルト戦(甲子園)以来、今季8度目。12日から7連戦を終え、19日の休日を挟んで今度は8連戦だった過密日程の中、この日は移動ゲームだった。どの角度からも恵みの雨。日本一を狙う岡田阪神にはツキも大事な要素となる。【石橋隆雄】

 

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