ロッテが楽天とのCS争い最終決戦を制し、勝率わずか1毛差での2位進出を決めた。

吉井理人監督(58)が期待をかけて叱咤(しった)激励してきた投打の愛弟子が大一番で結果を出した。開幕投手も任せた小島和哉投手(27)は、7回6安打無失点で10勝目。打線も安田尚憲内野手(24)が4回に左翼ポール直撃のソロを放つなど援護した。14日開幕のCSファーストステージ本拠地開催をつかみ、3位ソフトバンクと対戦する。

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小島が抑えた。粘った。ガッツポーズした。ほえた。「初回からクローザーの気持ちで。まあ、やったことないんですけれど。1回、1回と思って投げた結果がゼロでいけた」。初回に安打と四球と仲間の失策で1死満塁。岡島をカットボールで遊ゴロ併殺に封じると試合を決めたかのように拳を握った。「CSを本拠地で出来るチャンスが首の皮1枚つながったので、余計プレッシャーもあった。余裕はないんですけれど楽しまなかったらもったいないと思って」。5、6回と連続で無死から安打を許したが、いずれも最後は併殺斬り。闘志むき出しに。

だが、心は冷静だった。7回1死、左足がつった。普段なら黙って投げ続けたが、みずからタイム。命運握る一戦に救援陣がしっかり準備しているのを知ってるからこそ、自身の状況を確認した。続投決断。8回からは坂本、益田に託し、本拠地開催へのリレーをつないだ。「谷保さんを最後にはさせたくなかった。たくさんのファンの方に来てもらって盛り上げてもらいたい」。今季限りで引退するアナウンス担当の谷保さんへのたすきも渡した。

試合前、吉井監督は選手、スタッフ全員を集めた。「緊張するのは当たり前。我々は戦うのみ。自分たちの出来ることをやってください」。最後に「安田、ひと言」。春季キャンプ初の対外試合で「4番」に指名し、翌日は「8番」でカツを入れた期待の星。安田は「ONE TEAMで頑張りましょう。さあ、行こう」。声が小さく、仲間の反応薄く沈黙。“空振り”で“打ち直し”。再び「チーム一丸となって戦って勝ちましょう。さあ、行こう!」と盛り上げた。

その安田が満員の楽天ファンを沈黙させた。4回2死から151キロ外角直球を捉え、「きれるかなと思ったんですけれど、そのまま入って良かったです」。左翼ポールに直撃のキャリアハイ9号ソロ。「143試合目で順位の決まる緊張感のある試合だったので、良い経験になった。次のCSに向けて準備していきたい」。次はソフトバンクを沈黙させ、オリックスへの挑戦権に挑む。【鎌田直秀】

▽ロッテ吉井監督(勝って2位でのCS進出に)「すごく自分が出来ることに集中してやってくれたんじゃないかなと思います。小島は本当にしっかりエースらしい投球をしてくれた。安田に関してはもっともっと頑張ってもらわなくてはいけない選手なので、頑張れ安田。せっかくつかんだCSのチャンスなので、1番最後まで行けるように全力を尽くします」

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