亜大のドラフト上位候補に挙がる最速153キロ右腕、草加勝投手(4年=創志学園)が、今春、日本一を果たした青学大打線に6安打完封で今季3勝目、大学通算10勝目を挙げた。

崖っぷちの戦いに、エースが燃えた。第3週を終え、2勝6敗で勝ち点0。この第4週の青学大戦で勝ち点を落とすと、最下位が決まる。「エースという自覚はある。自分が0点で抑えれば負けることはないので、その気持ちを意識して今日は投げました」。

12球団のスカウトの熱視線を浴びながら、持ち前の器用さを発揮した。真っすぐに、多彩な変化球を制球良く投げこんだ。早めに追い込んで有利なカウントに持ち込むと、低めに制球した変化球で打ち取った。「今日はカーブも有効的に使えた」。リリースの位置を微妙に変えるなどして、打者のタイミングをうまく外した。西武の渡辺GMは「引き出しをたくさん持っていそうな投手。悪い時に悪いなりの投球ができる。制球力もあるし。投手としては全体的なバランスはいい。上の方であがる投手」と高く評価した。

エースの役割を全うし、無失点に抑えた。草加は「今日は何とかできたと思います」と話すと、笑みがこぼれた。しかし、まだ1勝。勝ち点を挙げなければ意味がない。「今はチームの勝利が優先。ドラフトは二の次です」。草加の表情がキリリと引き締まった。

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