CS突破の裏に福笹(ふくざさ)あり-。ファイナルステージで広島を撃破し日本シリーズ進出を決めた岡田阪神。18日の第1戦では入場者に、福を招く縁起物とされる福笹を黄色に染めた「タイガースオリジナル福笹」をプレゼントし、スタンドを真っ黄色に染めて選手を後押しした。イベントを企画した球団営業部興行担当の西村翔太さん(32)が舞台裏を明かした。【取材・構成=中野椋】

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18日のCSファイナルステージ第1戦で、少し珍しいシーンがあった。4、7回の攻撃前。この日入場者全員にプレゼントされた阪神オリジナルの福笹を、ファンが一斉に揺らした。福笹についた鈴の音が甲子園に響いた。

福笹は、福の神として有名な「えびす様」をまつる十日えびすで授与され、福を招く縁起物とされている。本拠地甲子園球場がある西宮市には「えびす様」をまつる神社の総本社・西宮神社があり、毎年3月には恒例の必勝祈願を行う。イベントを考案した西村さんは「お客さんが楽しめて、選手を後押しできる企画を考えていました。タイガースとゆかりがあるものですし、福笹はありだなと」とひらめいたという。

1年前から始動したというプロジェクトをCSの舞台で実現。「タイガースのイメージカラーは黄色なのに、球場が黄色に染まる機会あまりないので」と色にもこだわりを詰め込み、一体感を生んだ。福笹を揺らした直後の4回裏に森下の同点ソロが飛び出すなど、効果は絶大だった。

「福笹を応援に使うとは…!」と驚いたのは、西宮神社の広報業務などを担う小嶋今晨(いまとき)さん(27)だ。これまで、福笹がグッズ化された記憶はないという。球団から虎仕様の福笹が提供され、現在は社務所の応接間に飾られており、希望があれば参拝者にも公開する。

19、20日には原口が試合前の円陣で呼びかけチームの流行語となっている「VAMOS(バモス)」の文字が入った黄色のポスターを配布した。スタンドを見渡した岡田監督は「営業頑張っとるな」と、ぽつりと言ったこともある。関係者も一丸となって、阪神が日本一へ突き進む。

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