佐々木朗希に負けない。ロッテからドラフト1位指名された明大の上田希由翔(きゅうと)内野手(22)が27日、東京・府中市の明大野球部施設でロッテの高橋編成管理部長らの指名あいさつを受けた。吉井監督から送られたサインボールを手に「まだ自分がどれだけ通用するか想像出来ていない」と前置きしたうえで、「開幕から1軍に入りたい。まず1年目でタイトルを何か達成したい気持ちもありながら、(将来は)トリプルスリーも目指してやっていければなと思っています」と大きな目標も掲げた。

そんな夢を抱いたのも、同世代でトップを走る佐々木朗のおかげでもある。佐々木朗が高校生史上最速163キロをマークした19年4月6日の高校日本代表1次候補合宿(奈良)で対戦した。「自分は4年後にこういうピッチャーを打たなきゃいけないんだという気持ちにさせてくれたのが佐々木投手だった。成長した姿を見せられれば。どんな形でも対戦出来ればなと」。ライブBP(シート打撃)や紅白戦などでの対戦を熱望した。「あの時は3回振って1回もバットに当たらなかった。いっさい当たらなかったのが自分の中でも衝撃的。初めて音がなるボールを見た」。まずは“朗希打ち”が、空振り三振からの成長指標だ。

現在は三塁や一塁が主だが、「『打てたら使うチャンスが増える』ということはおっしゃっていただいたので、『ここ守ってほしい』と言われた時にしっかり守れるように、この準備期間でいろいろなところを練習してレベルアップしていければ」と内外野オールマイティーな守備力を養うつもりだ。

安田、山口ら若手との競争も待っている。「高いレベルの選手からいろいろなことを吸収」とした一方、「レギュラーを狙っていければ」と定位置を奪取するつもりだ。「マリーンズはたくさんの方から愛されて、すごい応援の中でプレー出来るので、それをありがたく思いながら、たくさんの人に愛される選手になりたい」。キュートなマスクと力強い打撃で、佐々木朗とともに投打の柱を担う決意だ。【鎌田直秀】

【関連記事】ロッテニュース一覧