エースの「初勝利」で勢いに乗る。3年連続で日本シリーズ開幕戦の先発マウンドを任されたオリックス山本由伸投手(25)が、2年連続日本一へチームもファンも盛り上げる。過去2年は3度の登板で0勝1敗。同学年で交流のある阪神の主砲、佐藤輝明内野手(24)との「真剣勝負」で熱くしながらも、大舞台での初勝利は譲らない。

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決戦を前にした山本は熱くも冷静だった。「すごく関西は特に盛り上がってると思います。僕たち選手はいつも通り、とにかく試合に集中してプレーできたらなと思います」。59年ぶりの関西シリーズ。周囲の熱気を感じながらマウンドに上がる。

勝利でファンを喜ばせることは大前提で、1対1の対決でも盛り上げる。阪神の主砲、佐藤輝は同学年で連絡を取り合うなど親交がある。「やっぱり同級生との対戦ということですね。セ・リーグの選手だと特に、年間何試合しか対戦がない。そこはしっかり真剣勝負をしつつ、いい対戦になればと思います」。昨年の交流戦では4打数1安打で、今年は佐藤輝がベンチスタートで対戦はなし。最高の舞台での再会でファンを熱くさせる。

前人未到の3年連続の4冠を達成したエースは、意外にも日本シリーズでの白星がまだない。21年は第1戦、第6戦に投げともに勝敗つかず。昨年は第1戦の5回途中で左脇腹を痛めて降板。そのまま復帰できなかった。悔しさをぶつけるかと問われると「いや、関係ないと思います」ときっぱり。「しっかり準備してこられたので、思い切って投げたいと思います」。過去は振り返らない。目の前の決戦しか見ていない。

前回18日のロッテとのCSファイナルステージ第1戦では、7回10安打5失点と苦戦。味方の援護を受けて白星をつかむと、きっちり切り替えた。「しっかり試合に合わせて、いろんな練習ができた。いい時間は過ごせています」。今季終了後にポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が見込まれる右腕。ラスト登板となる可能性があるマウンドでも、いつも通りの勇姿でファンを楽しませる。【磯綾乃】