本拠地・京セラドーム大阪で、阪神ファンの大歓声を聞く結果になった。

3年連続パの4冠エース山本由伸投手(25)を先発に立てた初戦で、完敗。中嶋聡監督(54)は「ちょっとカーブが入らなかったのかな」と投球の幅を狭めた要因を挙げた上で「1年間の最後ですからね。いろんなところで疲れとかもありますし、打たれることもありますし」と振り返った。

0-8敗戦は、中嶋オリックスの日本シリーズでは最多失点で最大点差負け。序盤は山本と阪神村上の白熱の投手戦が続いたが、中盤に山本が相手打線につかまると点差は開いた。逆に自軍は、村上にほんろうされた、6月の交流戦で土をつけた右腕に逆襲され「低めは頑張って見逃してたんですけどね、それも野球です」と唇をかんだ。

フルメンバーで来た阪神に対し、CSファイナルステージMVPなど短期決戦で無類の勝負強さを発揮する杉本を開幕戦で使えなかった。左足首に故障を抱えたラオウをこの日はベンチから外し、1番左翼にプロ2年目の池田を抜てきした。今季のウエスタン・リーグの首位打者。攻守の潜在能力からすれば、23年日本シリーズ男になる可能性を秘めた20歳だったが、無安打に終わった。それでも中嶋監督は「(シリーズ男の活躍を)期待してますよ」と今後に目を向ける。

昨年の日本シリーズも2敗1分けから4連勝で一気に日本一に登り詰めた。短期決戦の切り替えも戦い方もすべて経験して、今がある。第2戦から巻き返す。【堀まどか】

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