歓声が鳴りやまない甲子園で、阪神大山悠輔内野手(28)が2戦連続でトドメの一打を放った。

8回に森下の逆転打が生まれ、なお1死三塁。すでに聖地の熱気は最高潮だった。宇田川に2球で追い込まれても、集中力は乱さない。カウント1-2。4球連続で来たフォークは低めだったが、片手で丁寧にすくい上げた。前進守備の内野の頭上を悠々超え、中前に返した。2点差に広げる一打で、第3戦で三振にやられた相手にやり返した。「勝ててよかったです」。安堵(あんど)し、球場を後にした。

第4戦では9回に2者連続申告敬遠で迎えた満塁機でサヨナラ打を放っており、2戦連続で勝負を決めた。初回は1死一、三塁の先制機で空振り三振に倒れ、森下は盗塁死でゲッツーなど3打席無安打だった。6回には西純の送球を落球する失策もあった。最終となった第4打席。4番がここぞの勝負強さを発揮した。

この一打で日本シリーズ第2戦から4試合連続安打。日本一に王手をかけても決して気は緩めない。「まだ(日本一が)決まったわけではないですし、次に勝たないといけない。まだまだ反省すべきことは多いので、また気を引き締めて次の試合に向けて準備していきたい」。38年ぶりの悲願を自身のバットで導いて見せる。【波部俊之介】

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