そら、一気よ-。阪神岡田彰布監督(65)が4日の第6戦(京セラドーム大阪)で38年ぶりの日本一を決めにかかる。3勝2敗で王手をかけ、まだ一つ負けられる状況だが「もう、そら明日よ」と必勝を期す。オリックス先発山本は第1戦で10安打を浴びせ、7失点でKOした相手。3年連続沢村賞右腕の再攻略にも自信たっぷりだ。先発にはエース格の村上を中6日で指名。ベテラン西勇らもブルペン待機させる総力戦で、歓喜の瞬間へ突き進む。

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岡田監督に迷いはなかった。「もうそら、明日よ」。第6戦で日本一を決めにかかる。1勝2敗から第4戦は大山のサヨナラ打で劇勝。第5戦は8回一挙6得点で大逆転劇を完成させた。この勢いのまま突き抜ける。

オリックス先発はエース山本だ。「向こうもな、そら必死でくると思うし。何とかせなあかんわ。点取らなあかんいうことや」。第1戦では10安打を浴びせ、7失点でKOしている。今回も崖っぷちの相手が本拠地で息を吹き返す前に得点を重ねたいところだ。

「前の(第)1戦に比べたらだいぶ楽なってるわ、打つ方も。あれは初戦の緊張感ていうかな。1回当たってるし、点取ってるし、だいぶ楽ちゃうか」

状態や傾向は第1戦で把握済み。3年連続パ・リーグ4冠、3年連続沢村賞右腕とて恐れることはない。全試合本塁打0でシリーズを制すれば史上初。つなぎを重視する猛虎打線が新たに歴史をつくる可能性は十分ある。

阪神先発は村上。岡田タイガースの象徴でもあるシンデレラ・ボーイに重責を託す。一方で第2戦先発の西勇をブルペン待機させ、場合によっては第3戦で先発して5回83球を投げた伊藤将も中3日でベンチ入りさせる。

激闘が続いた5試合でブルペン陣は疲弊している。右の石井が3連投、流れを変えた湯浅も連投。3、4戦目連投の桐敷も第5戦では延長戦での登板に備えていた。安藤投手コーチが「最後なんでね。準備だけはみんなしてくれとは言っている」と話す通り、総力戦で必勝を期す。

この日は村上ら4投手が甲子園で調整。野手、ブルペン陣は休養日として疲労回復を優先した。59年ぶりの関西シリーズで移動がないメリットを最大限に生かした形だ。

指揮官は選手時代の85年日本シリーズも甲子園の第5戦で王手をかけ、敵地西武球場(現ベルーナドーム)の第6戦で日本一を成し遂げた。今季リーグ開幕戦から負けなし8連勝、日本シリーズを含めて9勝1敗の京セラドーム大阪で、丸い天井に向かって高々と舞い上がる。【石橋隆雄】

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